文化祭1
夢を見ていた。
それはぼんやりとしていて、目覚める頃には忘れてしまう儚い夢。
そのはずだった。
――そのはずだったんだ。
これは夢で、普段が現実で……
”その区切りは?”
あの日常が現実で……
”その真意は?”
だから、アレは夢で……
”本当に?”
間違っているのは……
”偽っているのは……”
『お前だ』
―――
――
―
いつにも増して教室内が活気立っている。
その原因は一つ……
「では意見のある者は挙手しろ。」
1年に一度の文化祭の時期だからだ。
「なぁ葉助、お前やりたい事とかあるのか?」
「特にないかな~」
僕と健司は文化祭でのクラス展について話し合っていた。
レイは眠そうに欠伸をしている。
周りの生徒達は騒がしいくらいに意見を出し合っている。
別にこういう行事が嫌いなわけではない。
ただ単にやりたい事がないだけである。
「やっぱりさ、出店とかもやりたいよな。」
「それさ、健司が自分で食べたいだけじゃない?」
「そうそう、タダ食いできるし――って違うわ!」
それが本心だろ、と心の中で突っ込んだ。
「ほら静かにしろ! 結果を発表するぞ。」
どうやら意見がまとまったようだ。
「今年のクラス展は、メイド喫茶とする。」
――どういうことなんだろうか。
何故そんな結果に……
「しかしこれでは不公平ね。」
キャシー先生がニヤリと笑う。
「どうだ? 男子共も着るか?」
急激に周りがざわめきだす。
まぁ先生がいう事が実現してしまったらと考えると……
「流石に冗談よ。 その代わり男子共はしっかり準備をやってもらうよ。」
――よかった。
「でもよ、レイのメイド姿はみてみたかったよな?」
そう健司が耳元で呟いた。
――悪くないかも。
つい想像してしまった。
ちょっと目つきのきつい女子としてなら妥協点だ。
ともかく、今回の文化祭は波乱の予感がする。




