謎の転校生現る!1
今日も相変わらず、外から建設機械の音が鳴り響いている。
「なあ葉助、今日転校生が来るって知ってるか?」
授業中であるにもかかわらず、彼……村田健司は平然と話しかけてくる。
「そうなんだ。」
僕は素っ気なく返事を返し、再び窓の外へと視線を戻した。
「……」
ふと視線が合った。
腰まで伸びた綺麗な金髪。
目を見張るほど真っ赤な色のワンピース。
吸い込まれそうな綺麗な緑の瞳。
この場所とは不釣合いな少女がこちらをずっと見つめている。
「おい、そこの二人!」
「やっべ!」
健司は慌てて教科書で顔を隠した。
彼女は担任のキャシー・ダグラス先生。
見た目は美人だが、性格がアレという典型的なパターンの人物である。
そのせいで、未だに彼氏いない歴記録を更新しまくっている。
「桂木葉助、教科書37Pの上からの文章を読め。」
「は、はい。」
どうやらこれだけで済みそうだ。
健司は横でニヤニヤしている。
「血管の中を流れるモノの一つであるこの物質がエーテル器官から出来たものであって、魔源と呼ばれている。」
よくある授業の一風景。
「エーテル器官とは、心臓の一部にある器官です。
火・水・雷・風の4種類のエーテル属性うちの二種類の属性をもっています。」
魔道都市ヴェネティアにある、世界最大規模の魔法学園、ラタトクス学園。
「魔法は人間のイメージと音声――それを魔源を使って変換・具現化して発動させたものである。」
この時の僕達は、その平和がずっと続くと思っていたんだ。