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夏休み2
「わぁ……」
僕達の目の前には海に囲まれた島。
今は引き潮の関係で、陸から島までの道が出来上がっている。
自然が作り出す奇跡というものだ。
「な、凄いだろ?」
得意げに兄さんが胸を張る。
いや、別に兄さんがすごいわけでは無いのだが……
しかし関心して騒ぐ健司と得意げな兄さん。
理想的な先輩後輩像が目の前で展開されている。
なんというか、このバカ二人はお似合いである。
「こういうのも悪くは無いな。」
そう呟いて、レイが先導して進んでいく。
僕も馬鹿な2人を置いて後に続いた。
―――
――
―
「あの二人まだやってるよ。」
島にたどり着いた僕とレイだが、あの馬鹿二人はまだこちらに来ない。
まだあのやりとりをやっているのだろうか?
「どうする?」
このまま待っているわけにもいかないし。
かといって置いていくわけにもいかない。
そうしているうちに、向こうから健司が走ってくる。
「はぁはぁ……」
「遅いぞ健司。」
息を切らして膝に手をついている。
急にどうしたのだろうか?
「誠先輩が忘れ物したみたいでさ、先に行っててくれるか?」
やはりお馬鹿だった。
「……わかったよ。」
「わりぃな! 俺付き合ってくるわ。」
そう言って健司は引き返していった。
僕とレイはお互い呆れた顔で奥へと進んでいった。




