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幽霊の正体1
結局、寮全体を周ってきたが、特に何かを発見する事はなかった。
「なんだよ、結構期待してたのに。」
「期待してたんだ……」
何はともあれ問題も起きずに良かった。
”あいつを信じてはダメ”
――あの出来事を除いて。
「この辺で解散にしないか?」
眠そうな顔でレイがそう言った。
僕も正直今すぐ眠りたい。
「そうだな、じゃぁこれぐらいで……」
ガタン!
食堂の方から物音が聞こえた。
僕達3人は食堂へと向かう。
物音は食堂に近づくにつれて大きくなっていく。
本当に噂の幽霊が現れたのだろうか?
「なんの音だろう。」
「ラップ現象ってやつだな!」
健司がよく分からない用語を言う。
霊的な専門用語か何かだろうか?
いまいち振り回されがちな状態に不満を覚えつつも食堂を目指す。
――
―
ガタガタという音がはっきりと聞こえる距離まで近づいた。
――誰かいる。
明らかに何かの気配を感じる。
――ガタリ。
急に物音が止まった。
幽霊もこちらに気づいたのだろうか?
「誰かいるのか!」
健司が声をかける。
当然のごとく返事は返ってこない。
――コツン
無言で健司が歩き出す。
一歩、また一歩とその影へと近づく。
健司が振り向いてこちらを見る。
行くぞという合図だ。
こちらも首を縦に振って答える。
パッ!
影にライトを向けた。
そこには――




