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迷宮の番人1
それからも同じような仕掛けが続いた。
怪しい壁に魔法を当て、扉の開いていく単調な作業。
しかし、それは確実の僕達の魔源を削っていった。
これがこの試験の本質なのだろう。
ならば、行き着いた先にこそ本当の試験があるのではと考えてしまう。
「葉助、どうした?」
僕の表情が気になったのか、レイが尋ねてきた。
「実はこの単調の仕掛けの意味を考えてたんだよ。」
僕が率直に答えると、レイは納得したような顔をした。
「それは私も気になっていた。
明らかに魔源を消費させるために意図した仕掛けとしか思えない。」
どうやら同じ結論に至っていたようだ。
まぁさっきから突き進んでいる健司といえば……
「ははっ、俺に任せとけば試験なんて楽勝だぜ!」
”サンダーボルトⅠ!”
「ほら開いたぜ。」
――これである。
「待って、この先は今までと違うみたいだ。」
開いた扉の先は、今までと違い大きく開けた部屋であった。




