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新天地へ4

「準備は出来たな?」


「はい。」



会議室には銀華さんと俺、そしてレイの3人が集まっていた。

レイは背中にリュックを背負っているだけで、あまり荷物が多そうには見えない。

一方の俺や銀華さんは、弾薬や食料、野宿用の道具等でかなりの量になっている。



「よし、なら行くぞ。」



そう言うと、会議室のパネルを操作する。

駆動音と共に、壁が開いてエレベーターが現れた。

こんな場所にあるとは今まで気づかなかった。

3人共エレベーターに乗り込むと、静かに地下へと動き出した。



「これ、どこに向かってるんですか?」


「そうだな、滑走路と表現するのが正しいかな。」


「滑走路……?」


「飛行機にでも乗って境界移動(ラインズワープ)ってわけでもないだろ? 答えは簡単だよ葉助。」



――大体予想はついた。

もっとこう、原始的というか物理的というか、そんな感じの方法なのだ。



辿り着いた地下空間は、大きな空洞だった。

滑走路というよりは、ドーム状の空間だ。



「よし二人共、覚悟はいいな?」


「もちろんだ。」


「あぁ。」



返事を確認すると、銀華さんは魔源(マナ)を集中させる。

あまりに強力な力に、光となって魔源(マナ)の流れが視認出来る程だ。

その光は銀華さんの周囲をうねり、螺旋を描く。


より一層光が強くなったかと思うと、その光が銀華さんを包み膨張していく。

光が霧散すると、銀色の龍が姿を現した。



「この姿を見せるのは初めてだな。」



その龍は銀華さんの声で話しかけていた。

こうして直接見る事で、銀華さんは時空龍なのだと再認識させられる。



「どうした? さっさと背中に乗らないか。」


「や、やっぱりそうなるよな。」



予想通りの展開に、仕方なく荷物を持って背中へと飛び乗る。

一方レイは、楽しそうに喜んで背中に飛び乗った。



「そういえば、レイは一度、境界移動(ラインズワープ)してるんだよな?」


「まぁな、問題はその以前の記憶がまだはっきりしない事だ。」


「もしかしたら、境界移動(ラインズワープ)の最中に記憶が戻る可能性もありえるかも。」


「どうだろうな? ありえない話ではないかもな。」



境界移動(ラインズワープ)

一体どんな体験が待っているのだろうか。

不謹慎だが、少しワクワクしていた。



「よし、行くぞ!」



銀華さんは二、三歩後ろに下がると、一気に駆け出す。

その衝撃は背中に乗る俺達にまで伝わって来た。



「しっかり捕まっていろよ!」



勢いをつけて大きく地面を蹴った。

翼を大きくはばたかせて、その巨体を空へと導く。

真っ直ぐとかなりの速度で進むが、目の前には壁が――



「ぶつかる!」


「っ!」



俺は咄嗟にレイを庇った。

しかし、予想される衝撃が襲ってくる事はなかった。



「いつまでやっている、前を見てみろ。」


「あ……」



目の前に広がっていたのは、虹の道だった。

~時空龍の変身~

大量の魔源(マナ)を放出する事により、時空龍達は本来の龍の姿へと変身する事が出来る。

ならば、何故普段から龍の姿でいないのだろうか?

時空龍が普段人型になるのには理由がある。

もちろん異文化との交流には、人型である必要があるのも事実ではあるが、魔源(マナ)の節約でもあるのだ。

何故ならば、龍の形態でいるためには大量の魔源(マナ)を消費するからである。

消費量で言えば支障は無いレベルなのだが、いざという時を考慮して人型でいる者は多い。

そもそも、人型の時空龍ですら殺せる者は、ほぼいないわけだが。

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