もう一度2人で3
「レイ、記憶が戻ったんだな。」
「まだ完全じゃないがな、それでもこっちに来てからの事は全部思い出した。」
「良かった……」
つい本音が口から零れる。
流石に涙まで見せるのは恥ずかしいので、レイから顔を背けた。
色々あったが、やっとレイが帰ってきてくれたのだ。
こんなに嬉しい事はない。
「しかしなんだ、改めて思い返すとなかなか恥ずかしいな!」
「何が?」
「その私の――色々だ!」
レイは顔を真っ赤にしてそう答えた。
こういう所も変わってないなと思ってしまう。
「色々?」
「そう、色々だ。 だから気にするな。」
「はいはい、分かったよ。」
時間が巻き戻ったかのような錯覚に陥りそうになる。
でも健司はもういない。
俺がこの手で殺したんだ。
「葉助。」
「あぁ分かってる。」
気配が近づいてくるのが分かる、しかもかなりの人数だ。
この状況では敵の可能性が高い。
手持ちの残弾ではかなり厳しいな。
「レイ、まだいけるか?」
「誰に言っているんだ?」
レイは強くそう答えた。
どうやら心配するだけ無駄のようだった。
「いいか、やばくなったらお前が先に逃げるんだぞ?」
「断る。」
「――頑固な所は変わらないな。」
まぁ引きずってでも撤退するしかないか。
覚悟を決めて正面を見据える。
しかし、現れたのは――
「銀華さん!」
「カスパ先生!」
銀華さんと見慣れない初老の男だった。
~魔銃における複合魔法~
複合魔法を発動するには、2属性の魔源が必要なのは魔銃でも同じである。
弾丸に込められる魔源は1属性のみのため、本来は魔銃で複合魔法を発動させるのは不可能である。
しかし、異なる魔源を込めた弾丸を物理的に接触させる事で、無理矢理2属性の魔源を混ぜ合わせた状況を作り出す事が出来る。
この状態に、術者が魔源を流し込む事によって初めて複合魔法を発動する事が出来る。
元々燃費の悪い葉助にとっては、かなりの負担になる技である。




