あの日の記憶3
「会うのはいつ以来かね?」
こいつまでいるという事は、今回の襲撃は3賢者の意向らしい。
ならばあの人も……?
ふと先生の顔が浮かぶ。
あの人がそんな事を――
”フレイムストームⅢ!”
後方の氷の柱が吹き飛ぶ。
やはりあの程度で倒すのは無理だったか。
「げほっ……くそがぁ。」
鬼のような形相でメルが部屋から現れる。
中の水は全て蒸発させられたようだ。
しかし無傷とはいかないようで、その体はふらついていた。
「貴女もしぶといな、仕事くらいスマートに終らせられないのか。」
「うるさい! そいつは私がコロス!」
流石に3賢者を同時に2人相手にするのは厳しいか……
タイミング悪く、メインの戦力は作戦で出払っている。
時間さえ稼げれば、まだ勝機はあるか?
だがもし、もう一人3賢者が来ているとしたら――
いや、やめよう。 今は戦うしかない。
狙うならば弱っているメルの方からなのだが……
メルの属性は火と風、バルトは水と雷の属性を持っている。
つまりバルトをどうにかしなければ、メルを回復されてしまう。
しかしメルの火力は無視できるものではない。
メルを足止めしつつ、バルトを仕留めてからメルを殺す。
この順序が最適だ。
「何が目的か知らないが、私の記憶が戻ったのがお目達の運の尽きだな。」
まだ魔源には余裕はある、出し惜しみは無しだ。
さてまずは――
「ぶべっ!?」
攻撃前にメルの左腕が吹き飛んだ。
バルトが慌てて回復魔法を唱える。
そう、このタイミングで現れるのは”アイツ”しかいない。
「遅かったな、葉助。」
魔銃を構え、その男はそこにいた。
~魔銃・ナルヴィ~
銀華が作った魔銃。
イングラムM10という銃をベースに、魔術的改良が施されている。
.45ACP弾を使用、全長296mm、有効射程60m程度。
シンプルブローバック方式で、装弾数は40発。
銀華が左手で運用する短機関銃タイプの魔銃。
敵に致命傷を与えるより、主に牽制や設置系の魔法を使うのに適している。
特にこの魔銃の特性を利用した技、奇術弾は強力である。




