あの日の記憶1
――私がその人と出会ったのは、もう何年も前だ。
「君、大丈夫か!?」
「ここ、は……?」
私達は浜辺で出会った。
強制転移でこの世界に飛ばされた私を、彼が最初に発見したのだ。
彼の名はカスパ・ラグナール、3賢者と呼ばれる魔法使いの一人だった。
私はそのまま彼の元で暮らす事になった。
自分の世界への帰還方法を探りながら、魔法使いとしての技を磨いた。
元々の私の才能と、最高の先生である彼のおかげで、私の実力はメキメキと伸びていった。
――
―
そんなある日、彼が紹介したのがラタトクス学園だった。
彼は出資者の一人でもあるその学園に、あの男がいた。
私の仇、クロト・フェルナンドだ。
やっと私の目的を叶える時が来たのだ。
喜んで私は、その学園へと入学を決めた。
それでも彼は、最後まで私を引き留めた。
きっと、彼と共に過ごすのが一番ベストな選択であっただろう。
でも私は、戦う道を選んだ。
そうしなければ、私は前に進めなかったから。
「それでもお前は行くのか?」
「あぁ、それが兄の手向けでもあり、私のけじめだ」
でもそれは、私の自己満足だ。
結局クロトから、あの後何があったかを問いただす事は出来なかった。
真実は全て闇の中、それでも――
アイツが、生きていてくれるなら私は、もう――
―――
――
―
「それ以上あの人のを愚弄するなら、3賢者であろうと――殺す。」
私は静かにそう言い放った。
完全でははいが、記憶は大体戻った。
あとはこの鈍った身体がどこまで動けるかだ。
私はワンピースの裾を破き、少しでも動きやすい状態にする。
「言ったわねぇ!」
「さて、やるか。」




