桜散る時3
「私が3賢者のメルって知ってて刃向かってるわけぇ? 今すぐしねぇぇ!」
”フレイムストームⅢ!”
私は咄嗟に魔法障壁を全面へと展開した。
しかし、荒れ狂う炎を完全に防ぐことは出来るわけがなかった。
全身が焼けるかのような痛みと共に壁へと叩きつけられる。
「ガキが、私を怒らすとこうなるのよ。」
「……」
痛みで声も出ない。
指の一本さえ動かすことが出来ない。
私、ここで死ぬのかな……?
「カスパの爺さんの弟子でコレとか、よわすぎぃ! あの爺さんボケでも始まったわけぇ!?」
メルはそう言ってお腹を抱えながら笑い始めた。
その笑い声がすごい耳障りで嫌になる。
でも、カスパという名を聞くと何か、何か――
”それでもお前は行くのか?”
”あぁ、それが兄の手向けでもあり、私のけじめだ”
そうだ、どこかで聞いたはずだ。
わたし、わたしは?
浮かび上がった老人の顔のモヤが消えていく。
そうだ、私は……!
「何よ、その反抗的な目。 もしかして怒ってる?」
「その口を閉じろ……!」
メルの身体が大きく吹き飛ばされる。
流石の彼女も、急な反撃に対応が遅れたようだ。
”ウィンドウェアⅢ!”
強化魔法を使い、壁への激突を避ける。
しかし、その顔に先程までの余裕はなかった。
「本気ってわけ? ほんと生意気なガキねぇ。」
「それ以上あの人のを愚弄するなら、3賢者であろうと――殺す。」
私は静かにそう言い放った。
~魔銃・ヘル~
銀華が作った魔銃。
マテバ モデロ6 ウニカという銃をベースに、魔術的改良が施されている。
.44マグナム弾を使用、全長275mm、有効射程50m程度。
ダブルアクション式で、装弾数は6発。
フェンリルの代わりに用意した魔銃。
オートマチック機構を備えた珍しいリボルバーで、フェンリルと比べ使い勝手も良い。
銀華はこの銃を右手で運用している。
名の由来は、銀華が昔読んだ本に登場する冥界の女王の名らしい。




