桜散る時2
「きゃっ……」
再び建物が大きく揺れる。
「奴らめ、派手にやっているな。」
どうやらこの揺れの原因は、戦闘での影響らしい。
一体何をしているのだろうか?
お医者さんはゆっくりと扉に近づく。
扉に耳を当てて外の音を聞こうとしている。
”フレイムタワーⅢ!”
爆風が起こったのはほぼ同時だった。
その一瞬でお医者さんは扉ごと消し炭になった。
「全く、めんどくさいったらありゃしないわ。」
部屋の中に入って来たのは女性だった。
年齢はおそらく30代後半くらい。
返り血で染まった、白色のパーカーとロングスカート。
三つ編みを左手で弄りながら――こちらと視線が合った。
「ひっ――!」
「アンタ、確かカスパの爺さんが拾った小娘じゃぁないの。 なんでこんなとこにいるわけ?」
女性は気怠そうにそう質問して来た。
どうやらこの女性は、私が失っている過去を知っている様子だった。
「あ、貴女は、私の事を知っているんですか?」
「何それ馬鹿なの? 頭だいじょうぶ?」
なんだかイラっとする返答をされた。
正直、この人は嫌いだ。
「まぁいいやぁ、どうせアンタ――ここで死ぬんだから。」
「えっ?」
”フレイムタワーⅢ!”
身の危険を感じて、私は咄嗟に身体を動かしていた。
先程まで横になっていたベッドは、跡形もなくなっていた。
ゾッと背筋に寒気が走る。
この人は、間違いなく本気で私を殺そうとしたのだ。




