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プロローグ
かつて邪悪なる魔物がいた
木々が生い茂り、朝でも光の届かない森の奥底には館がある
周辺に住む村人たちは、魔物が住んでいることもあり“帰らすの森”と呼び恐れた
あるとき一人の少年が魔物に拐われてしまった
村人たちは勇気を振り絞り助けに向かったが、そのほとんどが帰らぬものとなった
残った村人たちが魔物の脅威に怯えていると、ある魔導士が現れ魔物を封印した
村に戻った魔導士は村人たちに告げた
“魔物は封印したが、館を中心に邪気が漂っている。あの森には何人たりとも立ち入るな”
そして
“入った者の命を使い復活してしまうだろう”とも
村人たちは魔導士の言葉を信じ、代々言い伝えてきた
――そうして、200年ものときが過ぎた