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ピ=Encounter with people

読んでくださり ありがとうこざいます。

昨日、河原へ行ってみると 菜の花が沢山咲いていました。

もう、いよいよ春ですね。

そえそう つくしの頭もでてましたよー!


とうとう東京行きの日がやってきた。

隠していたスーツケースを押し入れからだしてきた。

今日は 父も母も仕事だから、家のなかはこそこそしなくても大丈夫だ!

とにかく 早めに空港に行こう。

胸がドキドキしていた。そりゃそうだよね、家出同前だからね。

取り敢えず、玄関に立って 家の中を見渡して手を合わせた。

私を18年、見守ってくれてありがとう。

テーブルの上には父さんや母さん宛への手紙を置いてきた。


バスに乗り空港へ向かう。

一人で空港から旅立つなんて、わくわくするなぁ!

一度、そうたった一度、飛行機に乗った事があった。

高校の修学旅行だった。希望が3ヶ所あり、私は東京へ行きたかったけど、こと美が沖縄がいいっていうので、自分の行きたい所は諦めた。いつもそうだった、高校に入ってずっと親友だった こと美の 私はいつも……

私はきっと、こと美からも離れたかったんだ……


バスは空港に到着し、私は荷物を転がしながら受け付けへ向かった。

搭乗手続きを済ませてロビーで案内が来るまで待っていたら……うん?私を……誰かが呼んでいる?


「瑠菜、るなっ!」

「えっ?うわー、波野!こなんとこで会うんやねぇ」

「驚かんでも、この時期は 沢山東京へ旅立つ人は多いけんねぇ」

「そうなんじゃ、波野は東京の短大に行くんよねぇ」

「うん、別に東京じゃなかっても良かったんやけどね、少しね、地元から離れときたくて……」

「ふーん、あっ、でも、わかるような気がするわ」

きっとお互いなのだろうけど、旅立ちに知り合いがいる事を 少し嬉しいような、残念なような……


まあ、東京の町で 今からはそんなに偶然会うことなんて、そうそうないだろう。出発の時くらい一人くらい知り合いがいても……


搭乗の受け付けのアナウンスが流れた。


「私はこの便なんよ」

「私もやわ」

「席が隣やったら かなりおもしろいねぇ」

「チケット見せてん」

「私は、D-2やわ」

「えっと、私はDの.えー、1やわ、すごいねぇ」

まあ、こんなこ事もあるだろうと思い、同級生と行けることを 楽しいと思うことにして……旅立ちのスタートだ!

「ねえ、由井も東京なんよね」

「美容師になる言よったね」

「実はね、私……由井ん所に少しの間 お世話になるんよ」

「そうなん!なんで?」

「うちは、東京行き反対されてるんよ、やから家出同前なんよ」

「うわー、やるやん」

「ちゃかさんといて!すごい不安なんよ」

「そうやね、親が心配してるのも気になるんやけどね」

「それに東京は怖いってイメージあるしね」

「まあ、お互い頑張らなね」

「みんな、ちゃんと前に進んどるね……」


そんな話をしながら飛行機に搭乗した。


席も隣だったので、富士山でも一人寂しく見ながらと思っていたけれど、結局、景色なんて見るどころか ずっと波野とおしゃべりをしていた。


あっという間の一時間だった。


波野は 親戚の人が迎えに来るらしく、空港で別れることにした。

「波野、ほんじゃぁ、また会おやねー」

「うん、瑠菜も頑張りやー」

何だか周りの視線に気がついた私たちは お互いそれ以外の別れの挨拶はしなかった。

ただ手を名残惜しく振り続けた。

そうなんだ、ここは東京!いくら他人に興味がない人が多いとはいえ あんな大きな声で 方言丸出しでは みんなビックリするだろう。

ここからは一人なんだ、どうしよう~、不安だ!非常に不安だ!

とりあえず、由井のアパートまで行こう。

よしっ!今日からは 東京弁だ!って、無理だよね。


乗り場を探して、とっ?なんだ、なんだ?

京浜本線…快速…とりあえずこれに乗るんだ!

わからない?この広さ!乗場は……?

成田空港 第2ビルはと…

とりあえず、人について行こっと!

「京浜……」

京浜…上野行き…スカイライナーに乗って…日暮里で乗り換えて…そして、えっと…山手線で渋谷だ!

まずは、肝心なスカイライナーの乗り場がわからない!


そこにいる方はご案内をして下さる方?ですか?

私の為にでも居て下さると云っても過言ではありませんよね!

「あのー、すみません、京浜…スカイライナーの乗り場所は…」

「はい、こちらのエスカレーターを降りて頂きまして、真っ直ぐ行きますと 切符を販売する所がございますので、そちらで購入して頂きまして、販売している横にすぐスカイライナーの御乗車される入り口がございます」

「あっ、ありがとうございました」

「いえ、お気をつけて」

うわー、うわー、勇気だして聞いたどー!

エスカレーターを降りて…すごい!人…人…そして人…

さっすが東京!ドキドキ

無事スカイライナーにも乗れたし、いよいよ東京ですね。

緊張してたせいかスカイライナーの中でぐっすり眠ってしまっていた……

「次は日暮里……日暮里でございます……」

うー、日暮里……?私は何処で降りるの?眠いよ…

いやいやいや……ここ、ここで降りるんですね!


うわー、うわー、うわ!人…人…人…そして人!

とうとう来ました。いや、またまだ、由井の所は渋谷だからっと、そうだ、パスモを買ったら便利だって由井からおしえてもらったよね。

販売機で、チャージして、よし!我ながら素晴らしい!出来ましたと感心!

ぴんこーん!

?????

駅員さんがやって来ました。

「お嬢さん!それ裏ですよ、表向けて通してね」

怪訝そうな駅員さんだ!感じ悪いなぁ……

さてさて、いよいよ渋谷、どんな所かなぁ?

わくわく わくわく わくわく

ドンッ!「痛い・・」振り向いたけど誰も謝ってこないよ……

これが東京?

少し怖くなってきた。

気を取り直して、山手線に乗って…カッタンゴットン……

座る椅子なんてないんだ……

うわっ!ヘ(゜ο°;)ノぎゅうぎゅうだよ!苦しいー、おっとっと!転けそうだよ……

はぁー、苦しかったよ……

やっと、やっと、到着だ!無事到着して良かったよ~

時間はと、今は2時30分だから……3時の待ち合わせで 後30分したら由井との待ち合わせの時間だ、丁度いい時間だ!

西口まで行き 由井を待っていた。


「瑠菜!」

「由井ー、きゃー、由井!会えたわ!会えんかったらどうしよかと思いよったんよ」

「あっ、う、うん、わかった わかった。とりあえず、私のマンションに行こう。鞄持つよ」

「ありがとう」

「ねえねえ、すごいよねぇ、東京は人ばっかりで……高いビルばっかりやし……あなん店あるんやね」

「ねえ、瑠菜、方言止めてくれない!恥ずかしいよ」

「えっ、あっ、うん ごめんね」

「…………」

なんだか、自分が恥ずかしくなってきた……

そして、少し寂しくなってきた……

それからは二人とも一言も喋らないまま由井のマンションにたどり着いた。

由井宅にお世話になるのに 怒らせてしまった。

出だしから テンションがた落ち…………

「ここよ、入って」

「うん、ありがとう」

見慣れない男の人……誰?

「こんちわ」

「こ……んにちは」

「この人、私の彼氏だよ、名前は直哉」

「あっ、そうなんや。ごめんなさい!私は瑠菜です」

「知ってるよ、由井から聞いてる、まあ、よろしくね」

「はい……」

どうしよう…そうだよね、迷惑だよね、私の存在……

「気をつかわないで、瑠菜 疲れたでしょ コーヒでも入れるから座って」

「う、うんありがとう」

「瑠菜ちゃんでいい?そう呼んでもいいかな?」

「あっ、はいる瑠菜です!由井さんの友達やけど、あの……よろしくお願いします。それにしてもその髪の色……かっこいいですね」

「ぎゃっはっはっ、面白人」

「そうなの、瑠菜はね高校の時から笑いを取る名人なのよ」

「そっかぁ、それで 東京になにしに来たの?」

「あっ、はい……モ……モデ……」

「瑠菜!あのね、瑠菜はねこっちで就職決まってんのよ、ねっ、そうでしょ!」

由井……?

「う、うん」

「2、3日したら寮に入るの、ねっ、そうだよね」

私は頷くだけだった。

「そうなんだ、残念だなぁ」

私は鈍感だけど、かなりはっきりわかってきた……


ここに居るのだめなのかも?


来なければ良かった……


「さあ、今日は遥々田舎ら友達来てるから帰って」

由井は彼氏を外まで見送っていった。

外の話し声が良く聞こえてしまった。聞こえなければよかったのに聞こえてきた……

「わかったよ、2、3日は来れないんだよな」

「うん、また瑠菜が出て行ったら連絡するね」

「あんなダサいのが由井の友達?」

「違うわよ、ただのクラスメイト、少しの間いさせてあげるのよ、田舎から出てきてるんだし可愛そうでしょ」


私……ここに来たの、だめだったんた。

でも笑って……笑って……笑って……せっかくの旅立ち……笑っていれるように、自分に暗示をかけた。


「ごめんね瑠菜 、彼ね 来る予定じゃなかったのにね、仕事がお休みになっちゃってね。美容師さんなのよ」

「こちらこそ、ごめんよ、邪魔したんよね」

「大丈夫よ、まあ、座ってよ」

「うん 」笑顔……笑顔……

「あの……あのね、実はね住むところ決まったんよ。早く言わないかんと思っとったんやけど……由井におうてから言おうかと思うて……」

「そうなんだぁ、何処?場所は?」

「えっと、えっとね……日暮里なんよ」

その名前しかでてこなかった。スカイライナーを乗り換えた場所だった。

「へぇ、自分で探したの?」

「うん、実はね 母の知り合いがおってね 見つけてくれたんよ」

「ふーん、良かったね」

由井はホッとした様子だった。

「そうそう、瑠菜、ここはね東京なの、方言は止めた方がいいよ、恥ずかしいのは瑠菜自身だからね」

「…………うん」(・_・;

「ねえ、夕食どうする?一緒に食べる?」

そのつもりだったけど……きっと由井は早く出て行って欲しいのだろうな……嘘をついた、嘘は嫌いなのに……

「うん、あのね そのさっき言った母の知り合いの人と 会わないかん…会うことになっとんよ……会う事になってて……ね」

「そっか、じゃあ駅まで送るね」

「ええよ、ごめんね 彼氏さんを帰らせてしまったのに」

「いいよ、どうせまたすぐ来るよ」

「あっ、うん かっこいい彼氏さんで羨ましいよ」

「ありがと」

「おばさんと 4時30分に待ち合わせしとんよ……しててね、だから行くね」

「そっか、残念だけど またいつでも遊びに来てね」

「ありがとうね」

そうして由井のマンションを出た。



これから……………………どうしよう……(((((゜゜;)


誰も知らない…場所もろくにわからない……

とりあえず、笑って……笑って……笑って……

だめー、涙!でてくるな!

しくしく、しくしく、やっぱりだめだ……

駅の角で泣いた…私、何やってるんだろう。


何時間そこにいたんだろう、辺りは真っ暗になっていた。

寝る所を捜さなければ、そうだ!カプセルホテル、あそこが安いって聞いたことある。

こんなに人がいるのだから あっ、この人親切そうだ……

「あのー、すみません ここの辺りにカプセルホテル知りませんか?」

「はぁ?」手を横にふりふり無視!

ガックン!めげるな瑠菜!

「あのぉこの辺りにカプセルホテルあるの知りませんか?」

「さあ」ガックン!めげるな瑠菜!

そうだ、コンビに行こっと、お腹も空いたし、食べるものも買えるしねー、笑って……笑って……

お握り一個に、リンゴジュース、なんててお金無いからね。

「あの、すみません この辺りにカプセルホテルありませんか?」

「カプセルホテルですか?少しお待ち下さい」

他の店員さんが来た。

「君、未成年でしょ!家出でもしたの?」

「えっ!いえ、そんな……」

それに近いけど……

「未成年じゃありません、あの、唐突ですみません、私をここでバイトさせてくれませんか?」

「えっ?!」

「バイトも探してるんです、そしたらあのバイト募集の張り紙が……」

たまたまバイト募集の張り紙がしてあった。

「いやー、そうならそうと言ってくれたら……調度一人学生さんがやめてね、困ってたんだよ。今からでも入る?」

「えっ、いいんですか?」

「今からだから、20時から明日の4時まで、大丈夫かな?」

「はい、大丈夫です」

助かったぁ、さあ 瑠菜 笑って……笑って……


何もわからないままコンビニのバイトについた。

一月だけは日当でしてもらえると言う話しになった。

ラッキーだった、そう、これからだよ!




最後まで 読んでくださり 誠にありがとうこざいます。

お昼の陽気に誘われて お散歩へ行くと、所々に春の訪れを発見しました。

蓮花が咲いているのを見て 小さい時のように花輪が作りたくてしょうがなかったのですが、蓮華もまだまだ地に根をはりたいだろうと思いやめておきました。

皆さまのところにも 春の訪れが届きますように……

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