第六話「準備」
「皆の者、聞くが良い」
外交は失敗に終わった。
さすがはエルダンの王。息子であろうと容赦はしない。
さて、次のエルダン国の行動は何かは簡単に予想が付く。
再度。この国に攻め込むということだろう。
本来ならこの国の長に代わりを頼みたいところだが、生憎、容赦なく殺されている。
「私、ライア・ミーデンベルグがこの国の新たなる王となろう。異論はないな?」
ということで僕が代わりに王となることになった。
不本意だが仕方がない。
相手は超大国エルダン。どう戦う?
さすがに僕はそこまで頭が良くない。この戦力差を覆す方法を思いつかない。
頼りになるのはあの力だ。しかし、それを使えば苦しい思いをする。
実に悩ましい。
幸い、この国の民達は僕に従う気でいる。
とりあえず侵略される前に何をやるべきか?
少し考えた末、答えが出た。
エルダン国最新鋭機HKI01を使いこなすことだ。
頭で勝てない以上、技術の質で勝つしかない。
まずは試乗してみる。
うん。思ったより手応えはあった。
「ライア様、本当によろしいんですか?」
「ああ、君の頭脳に僕は人目置いている」
とりあえず参謀を雇い、エルダン国との戦線に備える。
戦う気がない一般人は避難場所に移動させておいた。
これで準備は万端だ。
負け戦、しかし、簡単にやられるわけにはいかない!