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第五話「侵略国家エルダン」
侵略国家エルダン。
この国は戦争が大好きであり、数々の国を支配している。
僕が住む国はミリア。
今はエルダンの支配下だ。
だが、その自治権は僕がもっている。
僕の目標のためにも上手く外交をする必要があるだろう。
しかし、戦争好きなエルダンに僕の理想論が通るはずがない。
だとしたら戦争になる。
力を使えば何とかなるが安易にその力を使うと、あの苦しみがまた僕を襲う。
とりあえず慎重に行動したほうがいいだろう。
――――皇帝陛下謁見前。
「レリウス。どういうことだ? 奴隷を解放したというのは」
「いや、それがですね。父上、奴隷達の生活を思うと心が痛くなって「馬鹿もん!!」
「ヒィ!」
「我が国以外の国民以外は皆奴隷だ。もう一度聞こう。奴隷を解放したのはなぜだ?」
「そ、それは」
「もうよい。呆れたぞレリウス。連れて行け」
「そんな父上! 父上!!」