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第四話「悪夢」
「うわあああああああああ!!?」
何だ。この苦しみは!?
「契約を忘れたか?」
声が聞こえてくる。
しかし、苦しみのせいで上手く返事を返すことができない。
「汝がその力を使えば使うほど。苦しみが増す。覚えておくが良い」
無間地獄のような苦しみに僕はひたすら襲われていた。
「は!?」
目が覚めた。
目覚めた後もあの苦しみが僕の体中を駆け巡っているような感覚に陥った。
喉が渇く。
僕はひたすら洗面所の水をがぶ飲みし、喉の渇きを潤した。
「我の苦しみを受ける代わりに。汝はとてつもない力を使うことが可能になる」
あいつは言っていた。
力を手に入れた暁には苦しみを受けると。
その力を使えば使うほど苦しみが強くなると。
甘かった。
この力を使えればすぐに目標を達成できると思っていた。
もうあんな苦しみは受けたくない。
なるべく力を使わないようにしないと。
幸い自治権はこっちのもの。
あの金髪のおぼっちゃんを飾りにして外交をすれば上手く行くだろう。
僕の目標も叶う。
とりあえず、あんな悪夢を見るのはもうごめんだ。