第三十五話「ハルサ防衛2」
カールスの機体は強力だな。
レーザー砲の威力は凄まじい。
しかし、敵の数が多すぎる。
戦況は五分五分といったところか。
「ん!?」
あの機体はナンバーズ7。
厄介だ。いくらレーザー砲といえども、あの機体のアンブレラスの防御性能には敵わない。
「貴様! よくもカールス様の機体で!!」
7がアンブレラスを構えて突進してくる。
不味い。
このままではやられる。
仕方あるまい。
「無礼者! 私を誰だと思っている」
「その声は!? アルシア皇女殿下」
「そのとおりだ。貴様は私に向かって武器を構えている。不敬であろう」
「それはすいません。しかし生きていたとは存じていませんでした。死んだものとばかり……」
「それより本題だ。私に逆らうのか?」
「それは……その……。ですがなぜ反乱軍と共に?」
「事情があるのだ。話せば長くなる。それより私と共に来い。さすれば地位は約束しよう」
「しかし……」
「もう一度聞く。私に逆らうのか?」
「無礼をお許し下さい。全部隊に告ぐ! 撤退せよ! 全部隊に告ぐ! 撤退せよ!」
さすがに共に来る気はないか。
だが撤退せしめたことは大いに結構なことだ。
ライア。借りは返したぞ。




