第二十二話「覇道」
「ギャハハハハハ、死ね! 死ね! 反乱軍ども」
楽しいねえ。
こうやって人を殺すのはさあ。
戦争だから殺せば殺すほど英雄になれる。
しかし、この程度なのか。
随分な規模で反乱を起こしたわりには攻略が容易すぎる。
奇跡でも起こったのだろう。
だがその奇跡も今日でおしまいだ。ギャハハハハ。
「何!? また得体のしれない兵器に攻め込まれた!?」
「はい。情報によるとナンバーズが動き出したとのこと」
「敵の機体のスペックは」
「それが厄介なことにナンバーズ3は周囲に電磁波を巻き起こして、敵の動きを止める。ボルトクラッシュ。ナンバーズ5はツェルトというメガトンバーズカ並みの火力をもつ武器を所持しており、非常に苦戦を強いられているところです」
「他に敵の情報は?」
「攻め込んでいるのはこの二機だけ、しかし、質があまりにも違いすぎます!」
「分かった、私が向かう」
「無茶です! 機体を消耗したばかりなのに」
「安心しろ。私は理想勇者ライアだ。負けるわけがない」
もうあの力に頼るしかない。
世界の幸福のためだ。苦しみならいくらでも我慢できる。
「力を使うのか?」
レイアが僕に話しかけてきた。
「ああ」
「守りを固めれば免れることも出来るだろうに。なぜ?」
「ここで勢力を失ったらまた振り出しに戻ってしまう。しかしなんだ? お前は力を使うことを勧めるのにそれを止めるような言い方をするとは」
「いや、ただ戦略的な話をしたまで」
「そうか、そろそろ出撃する。部屋でまったりと抹茶アイスでも食ってることだな」
「ありがたくそうさせてもらおう」
ナンバーズ。
例えどんな相手であろうと我が覇道を止めることは出来ぬ。
僕の力を思い知るがいい。ククククク。




