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第十二話「闇」
「うわああああああああ!?」
まただ。
またあの苦しみが僕を襲う。
助けて。
誰か助けてくれ。
水。
誰か水を。
どうかこの闇から僕を連れ出してくれ。
助けてくれ……助け
「はっ!」
僕は目を覚ました。
ようやく悪夢から解放された。
そう思った。
「何だよ……。これ……」
ベッド中が血だらけだった。
ふと口を触ってみる。
手にはびっしりと血が付き、僕の口からは血が零れおちていた。
「ぎゃああああああ!!」
「どうしましたライア様!? はっ!」
手下が僕の容態に気づいた。
「どうしましょう。医者を呼びましょうか?」
「いや、いい」
「ですが「いいんだ!!」
この力。なるべく使わないようにしないと。
「さて、ミリア国。どうやって切り返したかは知らないが。我が愛馬レスティーの餌食にしてやろう。幸運に思うが良い」




