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男子中学生の日常会話物語  作者: 天槻悠奈
緋咲奇譚編
32/50

第三十二話 グレン誕生日記念2014

 陽が半分その顔を沈めた、町の喧騒の中で一際目を引く華美な造りの高層マンション。その一室にグレンが足を踏み入れた途端、クラッカーが鳴らされた。



「いっえーいはぴばー!」


『…………はぁ?』


「ほら早く早く! マカロンケーキ作ってきたぞ!」


『何だその無駄な女子力……ってマカロンだと!? マカロン!』


「本当マカロン好きだよな。もうツッコまないぞ」


『むぐむぐ……ごくん。しかし何故突然マカロンケーキを?』


「忘れたんか? 今日はお前の15歳の誕生日だろ。蝋燭15本売ってなかったからデカイ蝋燭1本と小さい蝋燭5本で勘弁な」


『ああ……何だ、そういう事か……』


「え?」


『昨日は馬鹿シエル共のせいで騒がしかったからな……うん』


「え、な、何だよ。意味深だな……嫌な予感してきたんすけど」


『いいか、穴という穴かっ開いて聞け。霧島よ』


「お、おん……?」


『……非常に残念なことですが、俺の誕生日は昨日です』


「ファ!?」


『もう研究所の方でパーティーも済ませている。一足遅かったな、ご愁傷様です』


「っあ! マジだ、カレンダー確認したら18日じゃん!? 嘘だろ、二駅先の街まで行って材料仕入れてきたんにこんな漫画的王道展開あるのかよ……!」


『ドジ。もしくはアホの子。鈍感。天然』


「もうやめて! 俺のライフはもう0よ!」


『人の誕生日を祝う気があるのなら日にちを確認するのは基本中の基本だぞ。マカロンうまし』


「文句言いつつもちゃっかり完食しやがった……こんなツンデレ嫌だ……つか食うの早っ!」


『ナイスマカロン。マイネームイズマカロン・ペリー。開国を要求する……!』


「懐かしのペリーネタ!」



 *暫くお待ちください*



「……さて小一時間経った訳だが、落ち着いたか?」


『すまんな、ここの所オリキャラの設定を練るのに忙しくてマカロンを食べる暇もなくてな』


「あー……緋咲奇譚とかいう厨二な小説の……」


『なっ、何故貴様がそれを!?』


「無表情ながらも瞠目しながら詰め寄るな、そしてケーキ切る用のナイフを向けるな」


『可及的速やかに質問に答えなければ前髪抜いて生え際5cm後退させるぞ』


「地味に嫌だ! 流出経路なんざ限られてっだろ。ルリトがT○itterで言いふらしてたんだっつの!」


『あの怜悧な糞餓鬼め……油断も隙もないな。やはりもっとキツく釘を刺しておくべきだったか……』


「お前が言うと物騒だな。昨日の血祭り以上の仕置きって何が……ハッ!」


 ――その時、霧之助に電流が走った。



『そうだな、例えば』


「やめろ言わなくていい! 絶対教育上よろしくない表現が含まれてっから!」


『別に大した事ではないぞ。すぐ壊すのはつまらないから爪や皮を少しずつ……』


「想像するだけで痛い! 考える事エグいんだよお前!」


『悲鳴を聴くのもまた余興だが、悲鳴を聞きつけて誰かが来るかもしれんから初めに喉仏を掻っ切ってから死体を弄るのもアリだな』


「切り裂きジャック!」


『それか【自粛】を捥ぎ取るか』


「阿部定!」


『それか鉄の処女で』


「バートリ・エルジェーベト! もしくはエリザベート・バートリ!」


『……貴様のツッコミの的確さと殺人鬼への詳しさに引いたぞ』


「あ、違、これは偶々好きなWeb漫画に殺人鬼をモデルにしたキャラがいるだけで……」


『どんな漫画だ』





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