第二十七話 PV1000突破記念
陽が半分その顔を沈めた、町の喧騒の中で一際目を引く華美な造りの高層マンション。その一室で二人の少年が集まろうとしていた。
「何とまさかのPV1000突破したらしいぜ」
『そして本作品のお気に入り登録数も地味に増えていたな。こんな駄作なのにありがたや』
「駄作言うな。レタ……かのん様と馬鹿なるん……かなるんはいつもブックマーク登録してくれるよな」
『貴様失言多過ぎだろ。本気で感謝しているのか?』
「モチロンサァ。いっそこのお二人にゲストとして出演してもらうか?」
『両名共中学生ではないから無理だな』
「頑なに中学生に拘ってんなお前」
『なので其処は二人の非在宅時に二人の部屋に侵入し、こっそり撮影を……』
「捕まるわ! てかテレビ形式か!」
『今すぐにでも題名を「グレンの部屋」を変えれば尚良しッ!』
「良くない!」
『よし明日から早速そうしよう!』
「やめろォ!」
『ゴチャゴチャと煩い奴だな……では貴様はPV1000突破に何をすれば良いと言うのだ?』
「え、そんなんお前の書いた小説を晒すに決まってんだろ」
『なっ……貴様、正気か……?』
「あたり前田のクラッカー」
『古っ! ……じゃなくて! どんなギャグ展開から始まってもどシリアスの超鬱展開になる俺の小説を見ると申すのか……?』
「そこまで言われると逆に気になってきた」
『止めておくのが吉だぞ……カオスすぎて目も当てられないからな』
「そう言う俺らの会話も相当カオスだから安心して公開していいぞ」
『だが断る。絶対引かれる』
「大丈夫だ、腐ったマカロンを親友に食わせて病院送りにしたり高校生に喧嘩売ってる時点で引かれてるから」
『薄い本持ってきた奴に指摘されるなど屈辱だ……』