第二十五話 キャラ
最近更新ペース落ちてます。
陽が半分その顔を沈めた、町の喧騒の中で一際目を引く華美な造りの高層マンション。その一室で二人の少年が集まろうとしていた。
「ルリトがさりげなくメインキャラに昇格しようと目論んでいる事態についてそろそろ俺達は真面目に話し合うべきじゃないか?」
『今日も今日とて突然だな』
「だってルリトどう考えても出番多いだろ!? 俺不在の時代理してたし!」
『安心しろ、ルリトは小5だからメインキャラにはならん。2年後どうなるかは知らんが』
「あー……今俺ら中2だから、2年後は高校生だもんな。そうなると自然と中学校に上がったばかりのルリトに回る訳か……嫌だなぁ、2016年には目次開けばBLの話題で埋まってるなんて」
『こうなったら二次元の特権、「永遠の14歳」を使って意地でも居座ってやろうぞ!』
「何その痛い年増アイドルみたいな特権!? 何でもアリかよ!」
『アホな男子中学生の日常会話がテーマなのに16歳の天才神童やBLについて熱弁している小学生がいる時点で何でもアリだろうが』
「やめろそれを言うな! てかシエル氏番外編以外に出てこないと思ったらそういう訳か!」
『否。それはただ単に貴様がシエルのリアルを知らんから出てこれんだけだ』
「うぐ、だって……何とかしてシエル氏に個人情報聞き出そうとしても巧妙に誤魔化されるんだもん……」
『この前年齢聞いてたろうが』
「それだけな。未だ年齢以外全て不明なんだぞ? 個人情報管理徹底しすぎ……」
『性格はアホだが流石IQ190、そういう所はしっかりしているのだな……』
「……そう言うグレンはあの人とリア友っぽいよな。ルリトも」
『今更だな。そうだが』
「え、じゃあ知らんの俺だけ!? うっそシエル(ニジマスの神p)について知らんの俺だけなん!?」
『いや? お前も既に会っているぞ』
「まじで!? え、ちょ、ヒント! ヒントプリーズ!」
『霧島由梨愛の同級生だ』
「姉ちゃんの友達……口調、一人称からして狂魔先輩か……? いやでもあの人馬鹿だし、何より性格が一致しない。
どちらかと言うと性格は来夢先輩よりだよな……来夢先輩は成績学年2位とかで頭良いし、シエル氏と性格も似ている。一人称と口調が異なるが、来夢先輩はネットだと性格が変わるって聞いた事があるし、もしかして……?」
『えぇい長い上に不正解だ馬鹿者が!』
「まじで!? 俺頑張ったよこれでも!」
『ったく、本当に分からんのか此奴は……鈍いのか? それとも思考回路が彼奴の存在を遮断しているのか?』
「え、え、どゆこと?」
『真面目に答える気がないなら奥技ヴォルカラジエーションを喰らわすぞ貴様』
「何それ!? 火炎放射的な技!?」