第二十二話 決して暇人ではない
陽が半分その顔を沈めた、町の喧騒の中で一際目を引く華美な造りの高層マンション。その一室で二人の少年が集まろうとしていた。
「なぁグレン、お前っていつも給食時頑なにスプーンとフォークに拘ってて箸使わないけど何でだ?」
『ククク、俺は箸の使い方が致命的だからな!』
「自慢する所じゃねーよ」
『何と言っても以前箸を使って米を食していた時、目玉にぶっ刺しかけたのだからな』
「待て待て待て、何がどうしてそうなったのか三十字以上五十字内で速やかに説明しろ」
『やだめんどい』
「殴っていいよな? 今まで俺は理由もなく散々酷い目に遭わされてきたし今日くらい殴ったってバチ当たんねーよな?」
『……それより霧島。大事な話があるのだが』
「なんでぇやぶからぼうに」
『俺達は帰宅部だったろうか?』
「はぁ? 生粋の演劇部部員で文化祭実行委員で毎日てんやわんやしてますやん。どうしたグレン若年性認知症にでもなったか?」
『いや……それは分かるのだが、その割には毎日ただお菓子食ってゲームして駄弁ってるだけだと思うてな』
「べ、別に作者が中学時代不登校で真面な中学生活を知らなくてネタが尽きたとかじゃないんだからな!」
『ベタか。霧島のツンデレとか需要ないぞ。誰得だ』
「き、きっとルリト辺りが……多分」
『多分って……不確定要素ではないか。奴は腐男子でも、決して雑食ではないぞ?』
「お前って人の揚げ足を取るの好きなん? そんなに俺を追い込みたいん?」
『俺は思った事を口に出しているだけだ』
「そんなんだから友達少ないんだよ。少しは周りに気を遣え」
『安心しろ。友達少ないというか霧島しかいない』
「…………これは……慰めるべきか、盛大に嘲笑ってやるべきか悩みどころだな」
『そこは慰めんか愚民が!』
「うん、放置するか」
『この人でなし虫ケラめが!』
「意味不な造語作っちゃったよ!」