第二話 雨上がり
太陽はビル群に飲み込まれ、秋空にたなびく雲は茜色から群青色へと染まってしまっていた。
夕焼け小焼けが鳴り響きだした街、子供達は手を繋いで帰っていった公園で、金属が擦れ合う不協和音を鳴らしながら男子中学生が二人。錆びたブランコに乗りながら他愛もない会話に興じようとしていた。
『初めの文は毎回コピペで行くぞ』
「メタ発言乙」
『ちなみにこの作品は「幻影ノワール」総合PV5000突破記念作品だ。読者の皆様……あ、ありがとう』
「グレンがデレた……じゃなくて、そういうのは黒瀬かのん様の『NEVER〜偽りの不死者〜』の総合PV見てから言えよ。あっちは20000超えだぞ?
更にランキングに載ってる作品なんて一日何百万アクセス来てると思ってるんだ? え?」
『文字通り桁違いだな』
「アクセスは多い方が良いに越した事はねーけど、ここまでくると狂気すら感じるよな」
『全く不思議だよな……時に霧島よ』
「ん?」
『言うタイミングがいまいち掴めなかったので言えなかったのだが、一つ良いか?』
「おう、何でも言いたまえよ」
『……ブランコの座板が地味に濡れてるのだが』
「今日の昼雨降ってただろ。気づけよバーカ」
『そ、そう言うお前はどうなのだ!』
「座る前に座板をハンカチで拭いてます」
『……チッ』
「フハハざまぁ。全国模試で毎回堂々と上位の座に君臨する俺様は脳筋馬鹿とは違うからな」
『モテない癖に……ぬ、そういえば』
「ん?」
『傘って使いようによれば武器になるよな』
「……おいおい、傘の尖った部分を俺に向けるでないよ」
『君の視覚、奪っちゃうよ!? 奪っちゃうよ!?』
「傷害事件! つか何だそのテンション!? いつもの厨二な口調はどうした!?」
『さてどうしてやろうか。その目玉を串刺しにするか? それとも刺して掻き混ぜ――』
「やめなさい! これ全年齢対象だからね!? 第二話から何言ってんの!?」
『はぁ……? 霧島よ、俺の本編での設定を考えてもみろ。
無差別殺人狂サイボーグで現代版ジャック・ザ・リッパーとか各所から怒られそうなあだ名を持っている……という疑惑を露骨に掛けられているのだぞ? この程度の台詞日常的に口にしているだろうが』
「……もう何だかいいや。この馬鹿には何言っても無駄だわ」
『そうだ、貴様の話をこの俺様が理解するとでも思うたか浅ましい愚民めが』
「厨二乙……グレンと話すだけで疲れるから帰るわ」
『では俺はお前の家に正面から堂々と潜入するとするか』
「いや帰れよ。そしてそれは潜入とは言わない」
『そしてベットの下に隠されしエロ本を白日の元に晒してしんぜよう』
「何でエロ本の隠し場所知ってんだよ!?」
『俺だからな』
「ドヤ顔腹立つ」