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男子中学生の日常会話物語  作者: 天槻悠奈
グレン宅編
19/50

第十九話 無月グレンという少年

 陽が半分その顔を沈めた、町の喧騒の中で一際目を引く華美な造りの高層マンション。その一室で二人の少年が集まろうとしていた。



「ちぇ、ギルメン誰も居ねえし一人でクエストとかまじでだりぃな……お、レベル上がった」


『……』


「お、ドロップアイテムゲット……ってまたアクセ!? ハズレアイテムまたダブったよ……」


『……』


「よしっと……パソコン貸して貰って悪かったな。クリアしたぞ」


『あ、ああ……』


「決まった時間にしか出ないクエストがあってさ、欲しいドロップアイテムが中々手に入んねーんだよな」


『そうか……ところで何故我が家にやりにきた? 貴様の家にもパソコンあるだろうが』


「一台だけな。しかも姉ちゃんと兼用だし、今日は運悪く姉ちゃんにパソコン占領されてたんだよな」


『人の家に来てまでやるとは……それはそんなに楽しいのか?』


「おう。キャラも綺麗だしストーリーも面白くて長くやり込めるし、無課金でも充分楽しめるぞ。何ならお前もやる?」


『無論だ!』


「じゃ、まずはアバター作るぞ。このパーツを組み合わせるんだ。髪型以外は後から変更不能だからよく考えろよ」


『よしこれで』


「待て。いきなりネタキャラに走るとか勇者かお前」


『力士の何が悪い! 格好良いだろう!?』


「何でそんな熱いん!? お前そろそろ自分の本編設定思いだせよ!」


『無月グレン。ルナ博士の作ったルナティックサイボーグシリーズの四号機で、設定年齢は14。製造日(誕生日)は12月17日。身長164cm、体重80Kg(身体の生命維持機能、動力源、戦闘用の装甲、思考制御装置、感情抑制装置etcが含まれている為)。好きな食べ物はマカロン、その他スイーツ全般』


「覚えてた……」


『水色の髪に光が入っていないビー玉のような無機質な碧眼、整った顔立ちで白磁の滑らかな肌の美少年とされている。作者の兄がゲームでつくったアバターがモチーフらしい。

瞬間移動&制限解除装置であるヘッドフォンは常備している』


「え、ちょ、待っt」


『高性能サイボーグだが感情が暴走すると自我を抑えきれないという重大欠陥がある為、感情抑制装置を脳に仕込まれている。そのせいで滅多に表情を変えたりはしないので、冷血漢、クール、無感情などという印象を持たれがちだが中身は年相応の少年である』


「なっげえよ! 誕生日に身長体重好きなものはともかく容姿設定と性格設定なっげえよ!」


『次はユーザーネームの設定か……』


「何事もなかったかのように進めてやがる……! つかどうせ厨二ネームにすんだろ?」


『マカ太郎にしよう』


「まさかの」


『次は主人公の装備か……男たるもの剣だろう』


「俺は魔法職にしたぜ」


『ふむ、これで良いのか?』


「おう。チュートリアル終わったらゲーム開始だから頑張れ」


『了解した』

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