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男子中学生の日常会話物語  作者: 天槻悠奈
グレン宅編
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第十六話 復帰

 いつの間にやら太陽は細長い形をしたビル群に飲み込まれ、秋空にたなびく雲は茜色から群青色へと染まってしまっていた。


 夕焼け小焼けが鳴り響きだした街、子供達は手を繋いで帰っていった公園で、金属が擦れ合う不協和音を鳴らしながら男子中学生が二人。錆びたブランコに乗りながら他愛もない会話に興じようとしていた。



「最後に来てから数日しか経ってない筈なんに、公園来んの久々な感じがして不思議だなぁ」


『俺もだ。やはり十一月なだけあって此処は寒くて敵わんな……さぁ俺の家へレッツゴー』


「……グレン。その前にお前は俺に何か言う事があんじゃねーのか?」


『ぬ……』


「……」


『そ……その、腐ったマカロンを食わせてすまなかった。これからはマカロンは早めに処理する』


「んー、それも間違ってはいないんだが……もっと他に言う事ないか?」


『……? すまないが、ヒントを貰えないだろうか』


「おん、じゃあヒントな! ……ただいま、グレン」


『! ……お、おかえり……霧島』


「はいオッケー。てな訳で三日ぶりに帰ってきましたぜ! 俺氏全快ヒャッハー!」


『空気をぶち壊すな!』


「かーるーぴーす〜霧フィーバ〜! 弾けるカルピス燃〜えて♪」


『落ち着け。普段と立場が逆転しているぞ』


「ははは、すまそ。いやーまさか三日も入院する羽目になるとは思わなかったよ……」


『貴様がいない間、大変だったのだぞ? ルリトが人の部屋に不法浸入するわ、貯金箱の中身ごっそり無駄遣いされるわ……』


「マジかぁ……腐男子怖……」


『という訳でポッキー大量に貰った』


「え、ちょ、その袋ってポッキーの袋だったん!? マカロンかと思ってたわ!」


『これがマカロンだったら一人で即消費できるのだが、ポッキーは一人ではキツいのでな……共に食そう』


「やっぱそう来るん!? 食べ物のトラウマができたばっかなのに嫌だかんな!?」


『賞味期限は切れてないから安心しろ』


「それが食品のあるべき姿だよ! つかこの『店の棚にあった奴端から端まで全て大人買いしました』的な量二人で消費すんの普通に無理だと思うぞ!?」


『では貴様は姉に土産に何個か持って行くがいい。俺はシエルに送る』


「お前シエル氏の住所と郵便番号知ってんの?」


『いや、それは必要ない』


「?」


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