プロローグ
普通だの、特別な才能があるだの、努力家だの、怠け者だの……。
人を正確に判断するには、どうすれば出来るのだろうか?
君は、テストの成績で比較するかい?
それも良いかもしれない。それは、確かに個人の努力と才能で決まっているだろう。個人を計る物差しとして間違っている方法ではないだろうね。
だけど、俺が思うのはそういうことじゃないんだ。
自分より成績の良い人が、何の原因でそうなったかを知る事はできないだろ?
俺より記憶力が良かったのかもしれないし、俺よりずっと努力したのかもしれない、あるいはテストの山を張るのが天才的なのかもしれないね。
だけど、それを知る事は出来ないだろう?
「毎日五時間勉強してる」とか、「テスト前も一秒も勉強しなかった」とか、「一度見たことは忘れない」とか、「英単語十個の暗記にも二時間かかる」とか……。
これらの言葉に対して、いろんな要素から推測するだろうね
。
でも、結局ね、俺に出来る事は信じるか信じないか選ぶ事だけ。それだけなんだ。
俺だけじゃないだろう?
他人の言葉は証明するのは容易じゃないはずだ。
つまり、人を正確に測る術、あるいは人の本当の実力を計る術、なんてものはこの世に存在して無いんだよ。
それは、自分自身を判断する時だって同じだ。
自問自答して、得られた回答が正しいと証明する術は無いんだ。
俺は、いきなり何を語っているんだろうか。
屁理屈好きな友人の癖が移ったのかもしれないな。
ただ、一つだけ言えるんだ。
これだって、正確な証明は出来ない。
あくまで、俺一人の経験から導いた答えに過ぎないさ。
ごちゃごちゃ考えるなよ!
愛こそが全てだ!!
そうだろ?
偉大なビートルズだって言ってるしね。