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天体観測  作者: レプリカ
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紫陽花

今はなく、

それでも届いた太古の光。


星の名を忘れて久しい。


五月雨がひどく欝陶しい梅雨の始まりだった。


ぼくはいつものように体を起こして会社へ向かう。


傘は面倒でさすのを止めて小走りに見慣れた道をゆく。


路地裏の黒猫だとか、カンカン煩い遮断機、もう使われる事の無い寂れたバス停だとかに眼はいかない。


長い階段を登ればもう会社だ。

味気なくて代わり映えもしない。

こんな乾燥した痛みにも似た日常に何時ケリがつくんだろうか?ふと振り返る。

アスファルトの地面に小さな水溜まりが出来ていた。そこから青い空の亀裂が見てとれた。永い夢を見ていたような気がする。

本当に花火みたいに危うかったあのはかなさ。

ぼくは暫らく動けなかった。

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