少年少女イデア
とある企画に参加したものです。
レボルト:レボルト・コルツィ。元〝聖人〟。序列は第四位階。天使殺しの〝愚人堕ち〟。
オルガ:宮姫オルガ。大罪〝怠惰〟を賜り使徒となった。
ソウマ:鍔木ソウマ。〝聖騎士〟の一人。
シャイバーン:シャイバーン・マリノ。〝聖人〟。序列は第五位階。
ベルト1:ベルト音声。レボルトと兼ね役。
ベルト2:ベルト音声。シャイバーンと兼ね役。
:本編
オルガ:「(M)これは――一人の聖人による、壮大な暇つぶし。愚人に堕ちてまで、彼は自身の――世界の平和を疎み、ひどく退屈だと唾を吐いた」
オルガ:「(M)天使を殺し、神に背いて――彼は、異常れた人間たちに、力を与えた」
レボルト:「さぁ、存分に暴れてくれ――〝大罪の使徒〟諸君よ!」
レボルト:「……盛大に。愉快に。痛快に。な」
オルガ:「(M)……これは、世界を壊す物語」
オルガ:「(M)……いや。せっかくなら――こう言い換えよう」
オルガ:「(M)それは、どうしようもなくありふれた――〝正義と悪の物語〟」
:とある街
:街は破壊されている
オルガ:「…………」
オルガ:「……はぁ」
ソウマ:「――目の前の惨状を見ながら、呑気にため息がつけるとは……あまりにも堂々とした立ち振る舞いだな――〝大罪の使徒〟」
オルガ:「……君は?」
ソウマ:「私の名は、鍔木ソウマ。貴様ら〝大罪の使徒〟を撃滅するため、天使様より大役を仰せつかった――〝聖騎士〟である」
オルガ:「あぁ……、君が。ほんとにいたんだ」
ソウマ:「我々のことを知っているなら話が早い。言い訳も、命乞いも聞かん。貴様らはすでに、人語を話すだけの、下劣な獣に成り下がった。貴様らにくれてやるのは、我が剣がもたらす、裁きの鉄槌のみだ」
オルガ:「……なんというか、難しい言い回しを使うんだね。おかげで、たぶんひどいことを言われてるんだろうけど、それほど気にもならなかったよ」
ソウマ:「貴様のほうこそ、それで私を挑発しているつもりか? 生憎、私のこれは生まれつきでな。自身の正義に対する、責任の表れでもある。しかし、煽りに乗せられるほど短気ではなくとも、侮られているというのは、気分の良くないものだ。いずれにせよ容赦はせんが――死に方を選びたいなら、言葉遣いは考えるべきだ」
オルガ:「……あっそ」
ソウマ:「……それが答えか」
オルガ:「めんどくさいんだよ、君の言い回しは。もうちょっと簡単な言葉で言ってくれる? じゃないと、こっちだって適当な返事になるさ」
ソウマ:「…‥怠慢だな、それは」
オルガ:「いや、君が悪いと思うよ。これは」
オルガ:「――でも、まあ……そうだね。その自覚はあるよ。なんでも――」
オルガ:「――僕は、〝怠惰の大罪〟らしいから」
ソウマ:「……名乗ったな」
オルガ:「へぇ。一応、問答無用ってわけじゃなかったんだ」
ソウマ:「人は千差万別だ。たとえ一般の市民であろうと、街が崩壊していく様を見て、呑気に過ごしてはならない、という事はないからな」
オルガ:「……誤魔化すべきだったかな?」
ソウマ:「戯言を抜かすな。そもそも見誤るような失態は犯さん。故に情ではなく――これは私にとっての、一つの礼儀だ」
オルガ:「……そっか。ま、立派だと思うよ。他の〝聖騎士〟もさ、君みたいな感じなの?」
ソウマ:「……いや。それこそ、性格は皆バラバラだ。私も、〝聖騎士〟とはかくあるべし、などと押し付けるつもりはない」
ソウマ:「――皆、〝聖騎士〟にとって不可欠なものは、すでに備えているからな。わかるか? 〝大罪の使徒〟」
オルガ:「……教えてもらおうかな」
ソウマ:「――正義の心だ。悪虐を許さず、非道を断ずる。故に――我々は天使様に認められ、この世界を護るための力を与えられた」
オルガ:「……すごいね、君たちは。僕なんかには、その信心深さは、真似できないや」
ソウマ:「…………」
オルガ:「あ、勘違いしないでね。馬鹿にしたわけじゃないんだ。純粋に――少し、羨ましいなと思って」
ソウマ:「……それは後悔か?」
オルガ:「……いや、後悔はしてない。というか、そういう感情は、僕にはないんだ。……うん、残念ながら――なかったみたい」
ソウマ:「……貴様、そのためだけに、街を壊したのか」
オルガ:「だけ、っていうか……まあ、同じようなもんか。――そうだね。ここまですれば――街を壊せば、自分の生まれ育ってきた故郷を壊せば、泣くとか、笑うとか――そういう、わかりやすい感情が、芽生えてきてくれるかもって、思ってたんだけど」
オルガ:「――どうやら、僕は思ってた以上に、異常れてたみたいだ」
ソウマ:「…………」
ソウマ:「…‥貴様と、もう少し早く出逢えていればな。――救えた道も、あったやもしれん」
オルガ:「……いや、ないよ。きっと」
ソウマ:「……そうだな。――過去に希望を語っても意味はない。ならば――現在、為せることを為すまでだ」
オルガ:「…‥下劣な獣相手に、ずいぶん歩み寄ってくれたね」
ソウマ:「そうでなければ――私は獣以下の下衆だ」
オルガ:「……ほんと、すごいと思うよ」
:オルガの腰にベルトが現れる
オルガ:「――じゃ、始めようか。君のその腰にあるやつも、たぶん似たようなものなんだよね?」
ソウマ:「……我々〝聖騎士〟は、もとより様々な脅威と戦うために存在している。だが――その中には稀に、我々の力が通用しないモノもいる。強い弱いの話ではない――世界観がちがう、とでも言えばいいか――そうなった場合、我々は〝聖人〟から新たな力を授かり、その脅威に対応できるようにする」
オルガ:「えっと……、つまり今回は、このベルトがそうだって話?」
ソウマ:「貴様らに力を授けた〝聖人〟――否、今は〝愚人堕ち〟だったか――奴の力は、あくまで〝聖人〟の頃と同じ。つまり、世界観を合わせる必要はないのだが――これは、一種のプライドというやつだろう」
ソウマ:「此度――我々に力を授けてくださったのは、〝聖人〟が一人――シャイバーン・マリノ様だ。どうやら、彼はその男と、いわばライバル関係にあったようだ」
オルガ:「……へぇ〜」
ソウマ:「あまり興味はないか」
オルガ:「いや、そういうわけじゃないんだけど……いろいろ教えてくれるんだと思って」
ソウマ:「……むしろ、貴様は何も聞いていないのだな」
オルガ:「教えてくれなかったし――聞かなかったからね」
ソウマ:「……にしても、ずいぶんと子供じみた世界観だ。変身ベルト、というやつか」
オルガ:「たぶん、思いつきだと思うよ。ベルトを渡されたの、〝使徒〟になってから、だいぶ後だったし。それに――日曜の昼だったから」
ソウマ:「……なんとも、気の抜ける話だ」
オルガ:「でも、子供の頃、真似しなかった? おもちゃのベルト付けてさ」
ソウマ:「子供の頃はな。思い出ではあるが――それだけだ。貴様こそ、憧れでもあったのか?」
オルガ:「いや? ただ――友達に混ざって、よくポーズを取ったりしてたなって。でも、いざ遊ぶってなったら、悪役ばっかりしてたかな。ほら、正義のヒーローって、やっぱり人気だから。僕は余りもので、全然よかったし」
ソウマ:「…………」
オルガ:「――こんな僕にも、思い出くらいはあるよ」
ソウマ:「……あぁ」
ソウマ:「――変身しろ。〝大罪の使徒〟」
オルガ:「……わかった」
:オルガ、ベルトを起動する
オルガ:「――〝デウスエクス・ギア、起動〟」
ベルト1:「『侵蝕――怠惰』」
オルガ:「……〝変身〟」
ベルト1:「『贄となり――新たな肉体へと昇華させ――滅びを齎す』
ベルト1:「『顕現せよ――其は――怠惰の大罪』
:変身完了
ソウマ:「……少しばかり、語らいすぎたな」
:ソウマ、ベルトを起動する
ソウマ:「――〝デウスエクス・ギア、起動〟」
ベルト2:「『契約――聖騎士』」
ソウマ:「……我が信念は、変わらず」
ソウマ:「――〝変身〟!」
ベルト2:「『恩寵を賜り――己が正義を勇敢に掲げ――覇道を切り拓け』」
ベルト2:「『撃滅せよ――汝――聖騎士なれば』」
:変身完了
ソウマ:「――征くぞ、〝大罪の使徒〟」
オルガ:「――来なよ、〝聖騎士〟」
ソウマ:「ッ――はぁああああああッ!!」
:異空間
レボルト:「……始まったか」
:シャイバーンが現れる
レボルト:「――やぁ。ようやく来たね。待ちくたびれたよ。……いや――タイミング的には、ちょうどいいかな」
レボルト:「――ようこそ、僕の部屋へ。歓迎するよ――シャイバーン・マリノ」
シャイバーン:「……レボルト・コルツィ」
シャイバーン:「――言い訳があるなら聞こう」
レボルト:「言い訳?」
シャイバーン:「天使を殺した理由だ」
レボルト:「あれ? ビデオレター、観てない? わかりやすく置いといたはずなんだけど」
シャイバーン:「……あれが全てか」
レボルト:「うん。過不足なく――あのビデオレターに残したものが、全て」
シャイバーン:「……そうか」
シャイバーン:「――ならば……――死ね」
レボルト:「……ははっ。殺ってみなよ。そのために来たんだろう? ――シャイバーン」
シャイバーン:「――ッ!」
:街
ソウマ:「――《ライトニング》ッ!!」
オルガ:「おぉっと。……必殺技とか叫ぶんだ」
ソウマ:「……様式美だろう」
オルガ:「……あぁ。言われてみれば。じゃあ――僕もそうした方がいいのかな?」
ソウマ:「必殺技があるならな」
オルガ:「……ないけど」
ソウマ:「……貴様、変身までして、まさかやれることが、徒手空拳の肉弾戦のみか」
オルガ:「……どうなんだろ。ちょっと、探してみてもいい?」
ソウマ:「……良いだろう。待つのもまた、様式美だ」
オルガ:「それじゃあ……えっと……うーん……」
:オルガ、しばらく変身スーツを漁り
ソウマ:「…………」
オルガ:「……ごめん。無さそう」
ソウマ:「……はぁ。件の男は、本当に勢いのみで、そのベルトを作ったようだな」
オルガ:「でも――ちょっと思いついたことがあるから、試してみてもいい?」
ソウマ:「……やってみろ」
オルガ:「それじゃあ――とりあえず、《スロゥス・パンチ》」
:拳に溜めたエネルギーを放つ
ソウマ:「――っ! 拳からエネルギーを飛ばしたのか! ――受けてやるッ!」
:ソウマ、剣で受け止める
ソウマ:「――ぐッ! ――大した威力ではない……が、なんだ――剣が、重く……!」
:剣が何倍も重くなり、構えが崩れる
オルガ:「……なるほど。そういう感じか。なら――連射」
:《スロゥス・パンチ》の連撃
ソウマ:「なっ……! ――ぐぁああああッ!!」
:食らった後の間
ソウマ:「……う……、ぐっ……!」
オルガ:「どう? そんだけ食らえば――身動きできないくらいに、体が重くなってると思うんだけど」
ソウマ:「……くっ!」
オルガ:「さて――それじゃあ、とどめをどうするか……。このまま、《スロゥス・パンチ》を浴びせ続けてもいいんだけど……さすがに、それは、決め手として微妙というか……」
ソウマ:「……やはり、呑気なものだな……貴様は……」
ソウマ:「……この程度で――遅れを取る様な、私ではないッ!」
:ソウマ、気力で振り切る
オルガ:「……おぉ」
ソウマ:「貴様に――真の必殺技とは何か――この一撃をもって刻み込む!!」
:ソウマ、ベルトを操作する
ベルト2:「『限定解除』」
オルガ:「――っ! ベルトが、燃えて……!」
:ベルトの輝きが剣へ
ソウマ:「奥義解放ッ! 《ライトニング・セイバー》 ァ――ッ!!」
オルガ:「――――っ!」
:間
:異空間。レボルトの部屋
シャイバーン:「――何故だッ!」
レボルト:「よっ、と。――その話は、最初にしたけど?」
シャイバーン:「その上でだ! それほどまでに――退屈だったと! 貴様は、本気でそう言っているのか!」
レボルト:「あぁ、そうだ。この世界は――至極、退屈だ。生ぬるい平和。中途半端な安寧。どちらにも正義があると宣って――歩み寄りの道を模索する。そういうのは――もう、見飽きたんだよ」
シャイバーン:「……貴様」
レボルト:「だから――用意した。彼らを――〝人類の敵〟ってやつを。人の七つの原罪――モチーフとしてはこれ以上ないだろ?」
シャイバーン:「……あまりにも――身勝手が過ぎるぞ、レボルト!」
レボルト:「せっかくの人生――遊びを求めて何が悪い!」
シャイバーン:「これほどまでのことを、退屈凌ぎの一言で済まそうというのかッ!!」
:力と力のぶつかり合い
レボルト:「――っ!」
シャイバーン:「――ッ!」
:しばらく膠着状態
レボルト:「……僕たち〝聖人〟には……序列がある」
シャイバーン:「っ――!」
レボルト:「君は――第五位階……そして、僕は――第四位階だッ!」
:レボルト、力を放つ
シャイバーン:「う――ぐぁッ……!」
レボルト:「僕を斃したいなら――フューリンかモルタナを連れて来い! まあ、ヘイゼルのやつでも構わないけど――どうせあいつ、大して乗り気じゃないんでしょ?」
シャイバーン:「……ッ――レボルト、コルツィ……!」
:異空間が崩れ始める
:レボルトの輪郭がぼやけ始める
レボルト:「またね――シャイバーン・マリノ」
シャイバーン:「――レボルトォォォオオオッ!!!」
:間
:街
ソウマ:「はぁ……、はぁ……」
:舞い上がった砂塵が徐々に落ち着き始める
ソウマ:「…………貴様」
オルガ:「……なるほど。おかげで、使い方がよくわかったよ」
:薄れていく砂塵の中から、オルガがフラフラっとよろめきながら現れる
ソウマ:「……エネルギーを纏って、鎧のようにしたか。だが――やめておけ。変身状態がまともに維持できていない。『限定解除』の反動は、生身で受け止められるようなものではないぞ」
オルガ:「……だとしても、さ――今さら、自分の命が惜しいとは思わないよ」
ソウマ:「…………」
オルガ:「……「破滅願望」があるんだ――僕ら〝大罪の使徒〟には、みんな。だから、とっくの昔に、見切りはつけてるんだよ。あとは――理由を探してただけ」
ソウマ:「……利用されているとしてもか」
オルガ:「大したちがいはないよ。むしろ――感謝してる。理由と、機会をくれたこと」
ソウマ:「……そうか」
オルガ:「あ、でも――」
ソウマ:「……?」
オルガ:「君にも――感謝してる」
ソウマ:「っ……!」
オルガ:「敵同士だからっていうのも、あるだろうけど――僕なんかと、こうして向き合ってくれて。……ありがとう」
ソウマ:「…………」
オルガ:「……だから――これは、僕なりの礼儀だ」
:オルガ、ベルトを操作する
ベルト1:「『限定解除』」
オルガ:「――全力でいくよ」
ソウマ:「……ならば、私も応えよう。全霊をかけて――その一撃、迎え撃つ!」
オルガ:「……二度目が撃てるの?」
ソウマ:「いや――これは心構えの話だ。あいにく、エネルギーは使い果たしている。無茶をするのは――お互い様というわけだ。。……それとも、不服か?」
オルガ:「……いや――正直、ほっとしてる。君がもし、余力を残していたのなら――きっと勝てなかった」
ソウマ:「――勝負はまだわからんぞ」
オルガ:「……そうだね。だけど――」
オルガ:「――勝つよ。必ず」
ソウマ:「……ふ。は、は。――ならば来い、〝大罪の使徒〟。……いや」
オルガ:「……?」
ソウマ:「――貴様、名は何という」
オルガ:「……宮姫オルガ」
ソウマ:「オルガ……、――良い名だ。ならば改めて……貴様の本気を見せてみろ――宮姫オルガ!」
オルガ:「……っ」
:オルガ、ベルトのエネルギーを足に纏う
ソウマ:「っ! エネルギーを足に纏ったか……!」
オルガ:「――王道、でしょ」
ソウマ:「……そうこなくてはな」
オルガ:「――《スロゥス・ブレイク》」
ソウマ:「《ライトニング》……ッ!」
:エネルギーの波動が重なる
:オルガが飛び出し、ソウマは構える
:必殺技を放つ
オルガ:「――ッ!」
ソウマ:「はぁああああああああッ――!!」
:衝突
:間
:荒野と化した街の中心で、オルガが倒れている
:オルガ、目を覚ます
オルガ:「…………」
レボルト:「――やぁ」
オルガ:「……こんばんは」
レボルト:「景気はどうだい?」
オルガ:「……さぁ」
レボルト:「ふふ。――いやぁ、派手にやったねぇ」
オルガ:「……ごめんなさい」
レボルト:「うん?」
オルガ:「〝聖騎士〟に……勝てなかったから」
レボルト:「……でも、負けなかったでしょ?」
オルガ:「……引き分け、ですか」
レボルト:「どちらかというと――痛み分け、かな。仮に、君が万全の状態だったなら、先の勝負は、君に分があった。だけどまあ――彼の忠告通り、君は『限定解除』の反動に耐え切れなかった。溢れ出し、暴走したエネルギーは、君たちを呑み込んで――長い時間をかけて、収束した」
オルガ:「……そんなに時間が経ってるんですか?」
レボルト:「と言っても、五、六時間程度だけどね。あ、ちなみにだけど――君と戦った〝聖騎士〟――鍔木ソウマくん、だっけ? 彼の方は、一足先に、シャイバーンが回収していったみたいだ。君にトドメを刺さなかったのは――彼の治療を優先したから、かな。なんにせよ――運が良かったね」
オルガ:「……みんなは?」
レボルト:「無事だよ。君と同様、それぞれ〝聖騎士〟とあたって――お互いに、挨拶を済ませた形かな」
オルガ:「……そう、ですか」
レボルト:「君で最後だよ。だから――みんなで迎えに来たんだ」
:オルガ、言われて体を起こし、周りを見回す
オルガ:「……あ、ほんとだ。全然気づかなかった」
レボルト:「――さて! それじゃあ、みんな。今日は……いや、昨日は、かな。とにかく、お疲れさま! それぞれ、思うことはあるだろうけど――せっかくだ、じっくりやろう。僕たちの戦いはこれからだ――なんて、打ち切り漫画の定型句のようだけど……でもさ、物語を紡ぐのは君たちだ。語られない先ではなく――確かにそこに在る未来として、これから君たちは、体験することになる。存分に楽しもうじゃないか――この、破滅的な物語を、さ」
オルガ:「…………」
レボルト:「……それとも――〝聖騎士〟の正義にでも、あてられたかな? 人として――君は目を醒ましてしまったのかな? 宮姫オルガくん」
オルガ:「……いえ。特には。それとこれとは――話が別なので」
レボルト:「……ぷっ、ふ、はははっ――! いいねぇ。それでこそ――それでこそだよ、〝大罪の使徒〟!」
:レボルト、〝大罪の使徒〟を見回し
レボルト:「……では、征こうか」
レボルト:「――盛大に。愉快に。痛快に」
レボルト:「さあ――世界をぶっ壊そうじゃないか」
完




