第5章 恐怖と覚悟
恭子と吉田がアパートの前まで帰って来た。
「吉田くん、煮物とか持って来るからコレ持ってってくれる?」
コンビニで買い物をした袋を渡した。
「了解です。急いでテーブルの上、片付けます」
「あははっ!テーブルの上だけじゃない物も片付けなくちゃ、じゃないのー笑」
「やめてくださいよ恭子さん!僕持ってませんからっ!」
「ふーん、有ってもおかしく無いんじゃーん。健全な男の子は笑。取り敢えずジャージに着替えて煮物とか持って来るね」
「かしこまりです」
内心、吉田は
このババア、やんわり下ネタぶっ込んで来るのって俺にエロ求めてるくね?
日照りまくりなんだなババア...笑
一方、恭子も「さあ、煮物ならぬ美奈さん持ってくから心しなさいよ!」吉田を詰める気満々でいた。
恭子が自分の部屋へ入る。
中で待っていた美奈がスッと立ち上がった。
恭子が小さい声で「美奈さん、初めまして。木下恭子です。姉が会社でお世話になっています。貴重な年末年始休暇に不躾にも連絡させていただき、私の部屋まで急遽お越し頂く形になり、お手間取らせてしまって申し訳ございません」
「とんでも無いです。私も親の手前や近所の目を気にして高い授業料などと片付けてましたが内心は怒りで一杯で忘れる事が出来ませんでした。LINEで打ち合わせした以上に私が興奮してしまったら押さえてください」
恭子が「これから二次会と言う事で吉田の部屋で飲む算段になってます。詰めましょう。私、警察呼んでも良いかと思ってます。ルミとも関係が終わって良いと思ってます」
「恭子さん、私は20万以上の回収がしたいす。吉田に罪の重さを味わって貰いたいです。人の心を軽んじて金銭を取った吉田にはそれ相当の罪の意識を認識させたいです。きっと私以外にも被害者が居ると思うんです。何とか懲らしめてやりたいです」
「やりましょう。動画お願いします。音声だけでもかまいません。吉田がどう豹変するか割らないので、お互い気を付けましょう」
「はい。」
恭子は仕事柄帰りが遅い事もあり常に持ち歩いている護身用のスタンガンを美奈に渡した。
「何かあったら、これで吉田の背後から首に当ててください。死にはしませんから大丈夫です」
「わかりました。確認ですがコレはどう言う風に使うのか操作方法を教えて下さい」
恭子は美奈に使い方を伝えた。
2人で吉田の部屋の前へ行きチャイムを鳴らした。
ドアが開らく瞬間まで興奮とハラハラが入り混じった心境だった。
ピンポーン
ガチャ
「恭子さん、遅かったで....あ...」
「お邪魔しまーす」
ズカズカと入って行き
「紹介するね。こちら美奈さん。ルミと中学時代一緒だったのよ...て、紹介するまでも無いか。知ってるよね?」
「恭子さん....その...なんで...」
「駄目だよー吉田く.....」
恭子の視界が歪んだ。
バタン。
目の前が暗くなりそのまま倒れた。
吉田が足で恭子を突くも微動だにしない。
完全に意識が落ちた事を確認し
「美奈ちゃん、大変よく出来ましたねー。お利口さんでちゅねぇー」
美奈の頬にご褒美のキスをした。
美奈が恭子へスタンガンを当てたのだった。
「美奈ちゃんからLINEが来て助かったよ。有難う」
「ううん。アタシやっぱり吉田君が大切だし」
「可愛いね美奈ちゃん。さて、この女どうしようかねぇーーー。取り敢えず結束バンドで手足固めるか。あ、あと携帯取り上げて」
「うん、分かった」
美奈は始めて人を傷付けたことへの恐怖心から震えが止まらなかった。
「ねえ吉田君、結束バンドやりずらいよ、やってくれない」
「オッケー。美奈ちゃんチカラないもんね。貸してごらん」
「ありがと、ごめんね」
吉田に結束バンドを渡した。
吉田が鼻歌まじりに楽しそうに恭子の腕を結束バンドで固めはじめた。
「このくそババア。沈めてやろか」
言い終わるか終わったかで
吉田の体に激痛が走った。
「んはっ....」
吉田の視界が宙を這い泡を拭き、そのまま倒れて動けなくなった。
「くそ吉田。あんたの味方なんかする訳無いじゃん」
うわずった声で罵声を浴びせ吉田の顔にツバを吐いた。
美奈はありったけの力で吉田の腕と足を二重に結束バンドで締めた。
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「美奈さん、私は大丈夫ですから一旦私にスタンガン当ててください。吉田に盲目だと思わせてください。大丈夫です。本当に大丈夫ですから一気にお願いしますね」
恭子は真剣な眼差しで美奈に託していた。
美奈の顔面蒼白な面持ちで受け取り
その手は震えに震えていた。
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