買い手
今日2試合行って檻に戻り、硬い硬い地面で寝ようとする。
「zzz」
クロエは寝ているな。もう11時くらいだしな。
「ふぁあー。早く寝るか」
あくびをし、寝る体勢になる。
目を瞑るが考え事をしてしまう。
「そういえばさっき基礎能力に振り分けてなかったな。というかLVどれくらい上がったんだろう?」
・・・・LVは19になりました。
「まあ防御力でいいかな」
防御力E 8/10
「Dランクまであと2か。まだまだだな。もっと頑張ろう」
また奴らが来るかもしれないしな。十分準備しといて損はないな。
もうあんな目には遭いたくないから奴らにはもうごめんだね。顔すら見たくない。
寝たい!寝たい!寝たい!
「やばい寝られない。どうやったら寝られるんだ」
考える。
「まずストレッチ!!ふんふん」
「おやすみ。・・・」
寝られん!!!!どういうことだ!!
「あーらあーら!!眠いのに寝られない!!どうしようかな。とぅるるとぅるるとるっとぅ。歌えよ心の声で」
と謎のことを心の中で言い。静かに暴れる。
おいおいおいおい。どうしたんだい!?俺!!寝れないのかい?寝れるのかい?どっちなんだい?
寝れ~ない!!やああああぁぁあぁあああああああ!!
続きましてショートコント。猫。
いやー猫飼うことになったんだよねー。へぇー。
ほら見ていいよね?うん!寝てる姿がかわいいね。
そーなんだよー猫が寝ているってね。いやなんもダジャレになってないじゃん!!
じゃあ俺も寝ちゃおうかな。いや俺は寝られないよ…
寝られないよ。寝られないよ…。
イタリア!!そーれ!!ここイタリア!!
・・・・?????????
「よし!!寝られそう!!おやすみ」
・・・・?????????
「zzz」
・・・・?????????
◇
「・・・?ここは?まさかまた神様のところか?」
「いかにも」
と低音ボイスのイケボが聞こえてくる。
「もしかしてまた俺に用があるとかですか?」
「ああ。だがその前に世間話をしようか。座れ」
イスに座るよう促されたので座る。
「はい」
「ではどうだ?LVは」
「あ…ええと19です。ですがなんか上がるのが早い気がして…」
「そりゃあそうだ。我が20まで上がりやすくしているからな。早期購入特典みたいなやつだ」
「なんですかその例え」
思わず声に出てしまった。
「例えが悪かったか?」
「いやいやいや全然そんなことないです」
機嫌を損ねさせたらなにをされるかわからない。慎重に行こう。
「そ…そうか。では本題の話をしよう」
「はい」
「最近、我にも手に負えない連中が居てな。お前も会っただろ?」
「ブロンの奴らですか」
神様でも手を焼いているのか。
「ああ。ブロンだ。我でも何が何だか情報がないのだ。でもやばい奴らだ。世界が破壊させられる。そこでお前に奴らを倒すことを頼みたい。やってくれるか?」
「・・・」
静寂が流れる。
「もちろんですよ。奴らには借りがあるんでね。やり返したいと思っていたんですよ」
「感謝する。では頼む。あと助っ人が3日後に来る。よろしく」
「長い闘いになるだろう覚悟するがよい」
「はい。奴隷から成り上がる件と並立してやるってことでいいんですか?」
「ああ。まずは買われないとな。話はそれからだ。外に出れるようにならないとブロンの奴らを叩くことができないからな。買われてから自由になったら作戦開始だ」
「さ…作戦?」
「ああ。その助っ人がなにか考えているはずだ」
「そんなすごい人なんですか?」
「会えばわかる。どんな奴かは」
へぇ。じゃあ楽しみだな。
「ではさよならだ。また会うまでな」
◇
「ふぁあぁあああ。体感2分の睡眠だったぜ」
けふ、体痛いなり。多分昨日のせいだと思われる。
「おはよー。アクセル」
起きていたのか。
「ああ。おはよう」
「今日、なんか早く起きちゃった。昨日早く寝たからかな。あ!そうだ。昨日どうだった?」
「ああ。試合のことか。まあまあかな」
ちょっと格好つける。
「ふーん」
「嘘だよ。めっちゃ余裕だったね!!」
めっちゃ格好つける。
「どうやって倒したの?」
首を傾げて聞いてくる。
「まあ。ズズーン。ドババババーン。キラーン!!って感じかな」
「またそれ?具体的に言ってよ」
「ええ」
困る。
「うーん。まあカウンターしてクリティカル攻撃しただけだよ」
「クリティカル?」
聞き返してくる。
「まあ確率で強い攻撃が出るやつだよ」
「そーなんだ!」
「そーなんだよ!」
同じ感じで言う。
「真似したの?」
「さ。どうだろー」
軽く流す。
「絶対やってるじゃーん。もう怒ったよ。プンプン!」
なんか可愛らしい怒り方だな。どっかで見たことあるわ。怒ったかんな…。みたいなやつ。
それに似ているわ。
「ハハ!」
つい笑みがこぼれてしまう。
「なに笑ってんのさ!」
「可愛らしいなぁ。って思ってさ」
「えへへ。ありがとー」
今度は喜んだ様子を見せる。
「今回は許してあげよう」
「ありがとうございます!!クロエさん!!」
と大げさに言う。
「はっはっは。もっと言いたまえアクセル君」
それに乗っかるクロエ。
「!?」
トコトコと音が聞こえる。こんな早い時間に誰か来たのだろうか。考えられるのは店員か買い手。もしくは両方。
「気になってるやつが居てね」
やはり店員と買い手だ。
「そうですか。たしか戦闘用でしたよね?」
そう言って目の前に来た。
そいつは前に見に来た奴だった。
「こいつだ」
俺を指差す。
「こいつですか。戦闘には向かないかと…」
「失礼だが闘技場見ていないのか?」
と店員に問う。
「私、そういうのは見れなくて…」
「そうか。悪い。でこいつは負けなしの3連勝のやつでな。先に買わないと買われるから来たってわけだ」
「そうですか。ではこの1点ですね」
「いや。こいつもだ」
とクロエを指差す。
「え?そうですか。じゃあ2点ですね」
どうやらクロエも買われるようだ。
「ふぅーー。久々の外の空気だ」
今この瞬間を噛みしめる。
「よかったー。アクセルと一緒で。1人だったら不安だし…」
「そっか。まあよかったよ」
でも不安はある。それはクロエの使われ方だ。俺は戦闘用だ。この男が言っていたのは戦闘用が欲しいということだ。じゃあなぜクロエを買ったのかだ。この男が悪いやつじゃないといいが…。
「お前には戦闘に期待している」
「はい」
「で次にお前だ。お前には——」
唾を飲み込む。
「こいつと一緒に居てくれ」
「え?」
俺とクロエは驚く。
「仲良しらしいからな。俺はお前たちをどうこうするつもりはない。ただ楽しくしてほしいんだ。だからよろしくな」
どうやら悪い奴じゃなそうだ。
「はい。よろしくお願いします」
かしこまって言う。
それに続いてクロエも
「よろしくお願いします」
「よし、じゃあ早速だが付いてきてもらうぞ」
そう言って歩みを進める。
「アクセル、大丈夫そうだね」
小声で話す。
「ああ。俺も悪い人じゃないから大丈夫と思う」
「クロエ、ここら辺初めてだよ」
「そっか。俺も初めてだなー。元々シャルの人じゃないし」
「え?シャルじゃないの?」
驚いた様子だった。
「俺はこの国の隣、”ラギ”の人なんだ。まあ親から顔を見たくないって言われてここに売られたんだ」
「そっか…」
と悲しそうな顔になる。
「ごめん。暗い話しちゃったね。話変えようか。クロエは夢とかある?」
明るい話題に変える。
「え?なに急に」
「夢だよ。夢」
「うん。まあ」
「どんな夢かな?」
「平和で楽しい生活をしたいな。争いがなくただ好きな人とずっと一緒に居たい」
「いい夢じゃん!!必ず叶うよ!!」
「うん!!えへへ」
「じゃあさ。アクセルの夢ってなんなの?」
「うーん。どうだろ」
考える。
そういえばこの世界に来て夢のことなんて考えたことないな。最強になるとか?いやなんか違うな。これは夢っていうより目標みたいな感じだし…。
「まだわかんない」
「でもいつか決まると思う。生きて、生きれば自分の夢が見つかるかな」
「そっか。じゃあ夢を見つけれるように頑張ろうね」
クロエと話しながらどんどん歩みを進め、樹海の奥地へ進んでいくのだった。
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