燃やせ!!魂!!
俺たちは吹雪の中、走って悲鳴が聞こえた場所に行っている。
「魔物だ。俺が前に出て倒す!!支援を頼む」
気配はAランク。余裕だね。
「はい」
「なんでここにAランクの魔物が…」
やばい意識が…。
「オラァァアアアアアアアア!」
妖刀を鞘から抜かず上から殴る。
「間に合ったか…」
この人…。メイド服?コスプレな訳ないか。じゃあどこかに仕えてるメイドさんってことか。
「だ…誰?ぐた…」
「メフィ!その人を頼む」
「了解です」
「さて雪男?の魔物君!喜べ!歓声を上げろ!そしてぶっ倒れろ!!」
イエティみたいのだな。にしてもでかいな。10mくらいあるな。巨人だな。
「ステータス確認!!」
LV30 名前:雪男
種族:雪男
所持スキル:なし
「うむ。雪男くんだね。まあ余裕と。妖刀、鬼神村正!!楽しませてやるよ!!鞘から抜かずな!!」
「ならば見せてみろ!!実力を。エンターテイメント力を」
脳内に直接!?てかエンターテイメント力!?
「鞘から抜いたら命が削られる…。そこで俺は考えた。鈍器としての運用を!!」
「オラァァ!!」
鋭い痛みではなく鈍い痛み…。ハンマーとかと同じ重みのある鈍器だ。それこそが命を削らずに戦う方法だと!!
殴る!!そして喜ぶ!!魂の歓声を上げる!!
「どぉおおおー」
殴って攻撃してくる。
「甘い!!居合切り!!かっこ、鞘から抜いていないバージョン」
腹部に当てる。
「唸れ!!魂で感じろ!!魂の唸りを!!そして楽しめ!!心から!!唸れ!!鬼神村正!!」
「おおおーー!!」
雪男はドラミング?みたいなことをやっている。
「怒っているようだな。それもまた魂の歓声。もっと唸れ」
「あんなキャラだったっけ?」
「うおおおお!!行くぞ!!切り刻む!!」
「さ…鞘から抜いていないのに…。雪男に切り傷が!!」
「鞘から抜かずとも見えるはずだ。本物の刀の姿が…。妖刀、鬼神村正の姿が!!」
確かに見える!刀の姿が…。これは幻覚か…?
「魂自身がそう思い込めばそうなる。これは師匠から学んだことだ。今やっとわかった」
鈍器としての痛みと刀の鋭い痛み同時に味わえ!!
「爆ぜろ!!喜べ!!唸れ!!大歓声を上げろ!!呻きやがれ!!そして雪男、倒れやがれ!!」
全身にわたって切り刻む。
「どぉおおおおおお!!」
雪男は倒れる。
「ガハハハッ!!とても面白い。やはりお前が主人になってよかった。お前が主人なら退屈をしなさそうだ」
「よかったよ。まあ鞘から抜くときはよろしくな。そのうちあると思うから」
「楽しみにしておこう」
さて洞窟に戻るか。
「……ん?」
目が覚める。
「んーー。よかったー。もう大丈夫なんですか?」
「あれ?ここは…」
私は確か…。雪男に襲われて…。誰かが来て。
「だ…誰!?」
「俺はアクセルといいます。こちらは仲間のメフィです。で大丈夫なんですか?」
「…大丈夫ですけどあなたが助けてくれたんですか?」
「まあはい」
「ありがとうございます。それにこのコートも」
体を冷やすといけないから、かがり火の近くでこの人を寝かせ、コートをかけておいたのだ。
「それはいいのですが。聞きたいことがあります。何故あそこに居たのですか?」
「屋敷に帰る途中だったんです。買い物をして帰っていたんです。ですが急に吹雪が吹き始め、雪男が出てきたんです」
「ほうほう。でも謎ですね。こんなところに雪男なんて出ないですよね」
「それは思いました。本来、この辺は下位ランクの魔物しかでないですから」
うむ何故だ?何かやばい奴が出て、逃げてきたとか?なににしろわからないな。
「コート返します」
「どうもっす」
「というかコートを貸していたとき大丈夫だったんですか?というかコートを貸さなくてもよかったのでは?」
「いやいや。倒れている人にコートをかけてあげない選択肢はないですよ。それに俺、結構寒さに強いんで」
名も無き村の心得が馴染んでいるのかもな。助け合って生きるべし!!ってね。
「ぜひ、お礼をさせていただきたいです」
「俺はなにもしてないですって。ね?メフィ」
「なに言ってんですか。Aランクの魔物を倒したじゃないですか!私見ていましたよ」
「え?倒した?撃退したとかじゃなくて?」
驚いている様子だった。逃げてきたとか思っていたのかな。そのほうがよかったんだけど。
「そうですよ。刀でズバズバと切って倒していました」
と自分事のように自慢していた。
「Aランクですよ…」
どれだけの実力があるんだ!?
「まあそんなすごくないですって」
「ならもっとすごいお礼をしなくてはいけなくなりました」
「いやいや…。いいですって。俺はなにもしてないですって」
「命の恩人になにもしないのは人として終わっています。だから私にお礼をさせてください」
「素直に受け取っておくべきですよ」
「うーん。じゃ…じゃあ受け取ります」
「では吹雪がおさまったらお屋敷に案内するのでそこでお礼の話をしましょう」
「は…はい」
ま…まあ悪い話ではないよね?
貴族のお屋敷だよね?ちょっと緊張するかも…。
「よし!!」
小さくガッツポーズをする。
「なにか言いました?」
「いえ。なんでもないです」
「そういえば名前を聞いていませんでした。あの…。お名前はなんていうのですか?」
「え?ああ。はい。私はフィレンツェといいます」
「フィレンツェさん。よろしくお願いします。これで友達ですね」
今日俺は白髪のメイドさんに出会ったのだった。
「友達?」
「あ!厚かましかったですか?すみません」
「いえ。そんなことないです。むしろうれしいです」
「よかったです。あの…こんなこと言うのあれですけど…。俺、友達がいっぱい欲しいんですよね」
「いいことじゃないですか。孤独より友達が居たほうがいいと思いますよ」
「そうですよね…」
たくさん人と友達になりたいから旅をする理由なのかもな。どこかで人とのつながりを求めている。あの頃の俺には考えられないな。日本のときとは…。日本のときの話はまた今度に話すとしよう。
「あのつかぬ事を聞きますが…。ご年齢はどのくらいですか?」
「14です」
「14!?いやごめんなさい。貫禄があってとても14には見えませんでした」
「マジっすか?貫禄あるかな…?」
「14だったら私が仕えているお嬢様と同じ年齢です。どうか仲良くしてください」
「ふーん。お嬢様ね。同年齢なら話は合いそうではあるな。どんな人なんですか?」
「気の強い方ですけどいい人ですよ」
「でも最近悩んでいることがありそうで…。どうにか手助けできないかなと思っているのです…。どうしましょうか」
「悩みか…。この時期は色々、悩みがあるだろうからな…。こればかりは本人に聞いてみるしかないからな…」
「ですよね。もっと気軽に相談してほしいんですけど…。気の強い方なのでなかなか相談してくれないんですよね。主の悩みは私の悩みでもありますのに…」
これだけ親身になっているメイドさんがいるお嬢様はどんな人なのか気になってきたわ。
「悩みは打ち明けた方が気分がよくなるので誰かに相談したほうがいいんですけどね」
「私もそうして欲しいのですが…。弱さを見せたくないのでしょうか…。困りました」
「そうですね…。難しいっすね。どうしようか…」
「苦しんでいる姿を見たくないのです。どうすれば…」
「はあ。溜息が出ますね…」
「メフィはどう思う?」
「一回見てみないとわからないですが…。気軽に相談できる人が居ればいいと思います。この人なら弱さを見せてもいいと思える人に」
「気軽に相談できる人…。うむ…。じー」
「なに見てんすか?」
「同年齢なら気軽に出来ると思いますか?メフィさん」
「少しは気軽になると思いますが…。気休め程度ですね。仲がいい人でないとダメかと…。ですがこの方は別かと」
「というと?」
「仲良くなれば大丈夫かと。この方はなにか暖かくなるオーラを持っています。気軽に話しやすいかと」
「え?俺?」
「どうか厚かましいと思いますが…。お願いです。お嬢様の相談相手になってくれないでしょうか」
「え?」
ということで俺はそのお嬢様の相談相手になることになったのだ。
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