スパーリングみたいなもの
「ぜえ。ぜえ」
俺は今猛烈に疲れている。なぜかって?この前にキツイ筋トレやったからだ。スクワットをやった後の種目でもたくさん足を鍛えたからだ。足がプルプルだよ…。まだまだあるらしい。正直キツイがこれも奴らに対抗するため、そしてなにより大切なものを守るためだ。乗り越えないといけない!!
「次だ。次はスパーリングだ」
「え?スパーリング?誰とやるんですか?」
「我だ。我とスパーリングして我のスキルを覚えてもらう」
どんなスキルなのだろうか?気になるな。魔法が使えないからいいスキルだったら役に立つ可能性があるぞ。
「わかりました」
そう言ったものの、筋トレの影響で足がプルプルしまくってしっかり立てないんだよな。
「まずは見て覚えろ」
と言って外に出る。俺もそれについていく。
「はい」
「よし。まずはこれだな。嵐纏!!」
そう言うと辺り一面最初に会った時の様に雷と雨が降ってくる。そして嵐龍の周りにもっと強い嵐を纏う。
「すげぇ。近づけない」
触っただけでもひとたまりもなくやられそうだ。
「やってみろ」
「やってみろってどうやってやればいいんですか!?」
そうだ。見て覚えろって…。しょうがないか。よし!!見るだけではなく、よく観る!!
「なんで足を鍛えたかわかるか?」
足になにか秘密があるのか?足。足…。
地面を強く踏むとかか?いや違うか。いやでもあながち間違いではない気がするな。地面の踏み方に秘密があるとか。
「うーん」
よく観察するのだ。なにかヒントはないか?
よく見たら右足のところだけなにか土が燃えて灰になってるな。そこにヒントがあるのか?燃えて灰になるということは熱いということだ。熱さが関係しているのか?熱…熱…。
まだわからないな。では左足はどんな感じになっているんだ?見てみよう。
うーん。何かないか?変化はなさそ…。
いや何か冷気みたいのが見える。寒さを感じそうだ。
まとめてみると熱さと寒さを足から感じる。わかってきたぞ正体が。
「2つのエネルギーか?」
「そうだ。熱さのエネルギーと寒さのエネルギーを両足から全身へと巡らせることで嵐が発生し纏うことができる」
正解か。ただそのエネルギーの使い方がわからないんだよな。どうすればいいのだろうか。
「でそれはどうやるんですか?」
「次は感覚で覚えろ」
感覚?なんとなくでいいのかな?
目を瞑り自分のエネルギーを感じるんだ。エネルギー。エネルギー。
右からは熱さ。そして左からは寒さ。
全身に巡らせる。
ゴロゴロ…。
「出来たか?」
・・・・スキル、嵐纏を覚えました。
「出来たようだな」
「よし!」
小さくガッツポーズをする。
「我ほどのパワーはないようだが。でもまあこれくらいあれば十分だろう」
これを応用できれば魔法を使えなくても雷系のやつが使えるかもしれない。
「つぎはいよいよスパーだ。我は嵐纏を使わないから安心していいぞ。そしてやってもらいたいことは言わなくてもわかるよな?」
よし応用してやってみよう。実践だ!!
「はい!!」
もう嵐纏はやってるからエネルギーを拳に集中させる。
「よし!!」
拳に集中させたことにより、拳を中心として嵐を纏わせることに成功した。
「できているな。ではそれを相手に殴るまで継続できるかやってみろ」
「はい!!」
「ハァアアアアアアアア」
飛びついて殴るが途中で切れてしまった。
「やはりそこが課題だ。なんとしても継続させろ。いいな?」
「はい!!!!」
全身にエネルギーを巡らせるより、一部に集中させることは難しく継続させるのは困難を極める。
再度拳に集中させる。
「ドラァアアアアアアアア」
やはり難しい。継続できなくダメージがそんなに出てない気がする。もっと継続させないと。だが切羽詰まるのはよくない。最初から出来なくて当然だ。時間をかけてじっくりと出来るようにしよう。
「まだまだだ。だがさっきよりよかったぞ。その調子だ」
「はい」
「もっとこい!!」
「ドラァアアアアアアアア!!!」
よし!!いい手ごたえだ。これはいいのでは。
「うむ…。出来てはいるのだが少し最後の振り抜くところで抜けている」
くそぉ!!いいと思ったんだが…。振り抜くところで継続出来てないか。では少し最後のところを意識してみようか。
「まだまだァ!!」
そう自分に言い聞かせる様に言いながら殴る。
バーコンと爆発が起き、砂塵が巻き上がる。
「!!」
いいんじゃないか?しっかり最後まで集中出来ているのではないだろうか?だからこんな爆発が起きたのだろうし。
「甘いな。まだまだだ」
「え?どういうことですか?」
「最後まで集中出来ているのはいいのだがダメージが出ていない。もっと出るはずだ」
「え?」
爆発出てるのにまだまだなのか!?まだまだ奥が深いな。
「もっと出せるんですね?ならもっとやりましょう」
「いや休憩だ」
「いいところなのに休憩でいいんですか?」
「そんなに切羽詰まった感じにはしたくないからな。焦んなよ」
自分でゆっくりやっていこうって思っていたのにいつの間にか楽しくなっていた。そういえばスパーリングって言っていたがスパーは1度もしてないじゃん。そう気付いてしまった。
「はい」
そう言って休憩に入ろうとしたときだった。
「じーー」
「!?」
視線を感じる。誰だろう。
「かわいい。かわいい。かわいい。かわいい…」
「視線を感じます。誰か呼びました?」
「いや誰も呼んでないが」
寒気がしたのは俺だけじゃないはず…。もしかして幽霊?待ってくれよ。俺そういうの苦手なんだって。
「近づいてみろ」
「え?怖いですって」
「いいから」
そう言われて怖いが近づいてみることにした。
忍び足で近づき…
「やあ!!君の大好きなお姉ちゃんだよ!!」
「わあ!!びっくりしたぁ!!」
本当にびっくりしたよ。でも幽霊じゃなくてよかった。
「おお。エリシャじゃないか」
「気になったので来ちゃいました」
「まあ村からはそんな離れていないから気軽に来てもいいが…。そんなに気になっていたのか?」
「だってかわいい弟のアクシィが頑張っている姿を見たいじゃないですか!!」
「え?ちょっと待て。お前ら姉弟だったのか!?」
「違いますよ」
俺がそう言うと覆いかぶさるように
「はい!!血縁関係はないですけど心は姉弟です」
「そ…そうか」
圧倒された様子だった。
「かっこよかったよ。アクシィ。ゴロゴロさせてさ。ギャップがすごいよね。かわいさとかっこよさのギャップが。強くなってんじゃない?お姉ちゃん感激だよ」
「マスターするのに手こずってますからまだまだですよ」
「いいじゃん伸びしろあって」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「うんうん!!じゃあもっと成長できるように頑張ってよ。そしていつかは…。この世界に名を轟かせるようになってさ…」
「妄想はそれぐらいにして、で雨とか大丈夫だったのか?」
「ああ。はい。傘常備しているので」
「そうか。用意周到だな」
「名も無き村の心得があるので」
「そっか。そうだな」
「心得?」
気になったので聞き返してみた。
「傘は忘れべからずだよ。ほら村って雷鳴山にあるじゃん。だからずっと持っておきなさいっていう心得があるんだよ」
「へぇー。そういうのいいじゃないですか!」
「でしょ。で他にも心得があって…。みんなが1番大事にしている心得が”助け合って生きるべし”だよ。いいでしょ」
「めっちゃいいです。村のみんなが協力するってかっこいいです」
「うんうん。まあまだまだあるけどその時その時で教えるよ」
「はい」
「なあエリシャよ」
突然話しかける。
「なんですか?」
「こいつと1回だけ戦ってくれないか?剣の使い方を伝授したいんだ」
「え?」
「え?私でいいんですか?」
「ああ」
「ならよろこんで」
そんな訳で突然、エリシャと1回戦うことになったのだった。
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