7.卒業式は淡々と
卒業式を終えて、家へと帰ってきた。
花道では、こんな俺でも卓球部の後輩達がお祝いをしてくれた。ほとんど行っていなかったので、1年性に関しては気づかもしなかった。(もちろん俺も知らない)
卒業式の雰囲気自体は嫌いじゃないので、なんとなく清々しい気持ちで制服を脱ぐ。全部のボタンがついたままの制服をハンガーにかけてクローゼットに下げる。この制服ももう着ることのないと思うと寂しいものだ。
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その日は家族に連れられて、卒業祝いの食事会をした。通過儀礼とはいえ、卒業というのは特別な節目だ。それに、お祝いされて嫌な気分はしなかった。
家に帰ると、ふと気になってパソコンを開いた。
パソコンのメール画面を開くと、千夏からの新着メッセージが入っていた。
ー"卒業おめでとう。明日は合格発表、ドキドキだね
末尾には、小さな絵文字が書かれている。これまでのやり取りでも変わらない。
ー"だな。落ちてたら慰めてね
軽くキーボードを叩きメールに返信をする。言葉大歌ほど落ちている、とは思ってはいないのだが。
メールボックスを見れば、これくらい短文のやり取りが何度か繰り返されていた。見返すほどでもない他愛のない会話。
ー卒業したら会えなくなる
その言葉が頭から離れない。
「あと1回は、会えるもんな」
何かを言い聞かせるように、わざわざ声に出して呟く。それに、この先もメールではやり取りできる、変わらないはず。変わらない、きっと……
パソコンの電源を落とし暗くなった、画面に映る自分の顔はなんとも情けない。お世辞にもかっこいいだなんて言えるものではない。
どうしようもない現実に、溜め息を添えることしかできなかった。




