『石のやうに』
ひとつの石が
道ばたにあつた
朝のひかりを
うすくかぶつてゐた
わたしはそれを
ただ見てゐた
何も思はず
ただ見てゐた
風が吹いて
木の葉がひとひら
石のうへに落ちた
音もなく落ちた
わたしは
わたしの影を
その石に見てゐた
それが わたしであるやうな
さうでないやうな
ひかりは
すこしずつ
石をあたためてゐた──
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ひとつの石が
道ばたにあつた
朝のひかりを
うすくかぶつてゐた
わたしはそれを
ただ見てゐた
何も思はず
ただ見てゐた
風が吹いて
木の葉がひとひら
石のうへに落ちた
音もなく落ちた
わたしは
わたしの影を
その石に見てゐた
それが わたしであるやうな
さうでないやうな
ひかりは
すこしずつ
石をあたためてゐた──
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