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人食い邪竜、やさしい人間のおっさんとして生きます  作者: 伊沢新餌
1章 気がついたらおっさんであった
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9話 次の目的地

「そういえば、どうやって依頼をこなしたことを証明するんだ?」


 と帰り道にフラヴィに聞いてみると、露骨に呆れた顔をした。

うむ、もうフラヴィは元のフラヴィにもどったようだ。


「今更それを聞くの?最初に疑問に思いなさいよ。」


 聞いてみると最初に受け取った名札はマジックアイテムでもあり、

討伐した魔物の魂を記録しているらしい。

だから、遺体の一部を持ってくるなどしなくても、スライムやゴブリンを

倒した証明は簡単にできるようだ。便利なものである。


 ポルーナについてギルドに報告に行く。ロインとシェリーの名札は返却した。

ギルドの受付の男が苦い顔をする。事情を聞かれたので説明すると、

マンティコアが出て二人が殺され、最終的に倒したことを話した。


「二人のことは残念だったな。珍しいぐらい、いいやつだった。

 よくあることなんだが、この仕事のこの瞬間は辛いものだ。

 しかし、マンティコアを倒すとはすごいな。あんた。」

 

「ああ、我も死ぬかと思った。だが、二人の犠牲で紙一重で奇跡的に倒せたんだ。」


「このことは領主に報告しておく。今回の報酬とは別に賞金がでるだろう。」


 もらえるものははありがたいものだ。報酬の金貨16枚は、ロインたちの分は遺族に……と思ったが、

二人とも孤児院出身らしい。ギルドの男の意見もあり、全額もらっておくことにした。


 ギルドからの帰り道。今日は宿にとまることにする。

フラヴィは街に人一人寝られるだけの寝床を借りているらしい。


「ねえ、ノジーはこれからどうするの。」

「とりあえずは当分のお金を稼げればよかったんだ。思った以上に入ったな。」


 金貨8枚あれば、宿に泊まっても2ヶ月は暮らしていけるだろう。


「旅の目的、きいていい?なにか事情があるんでしょ。それも秘密?」


「いや。我は、ドラゴンを封印できる宝玉を探しているんだ。フラヴィは聞いたことないか?」


 ドラゴンに戻る方法を探しているなんてことは言えない。

 とりあえずは、その原因となったアイテムを探すのだ。

 それでも、あまり言いふらしたくはないが、フラヴィは信用できそうだ。


「うーん、そんなもの聞いたことない。宝玉?そんなものであいつら封印できるの?」


 されると困るが、実際にされてるんだよなあ。

……しかし、魔法に詳しそうなフラヴィも聞いたことないか。

やっぱレアアイテムだよなあ。そこら辺にあるものじゃなくてよかったが。


「探してるんだけど全然手がかりがなくてね。」


 フラヴィは少し考えてる様子だ。割と真剣に考えてくれてるんだな。

何らかのヒントでもあれば我としてはありがたい。今のところ、何も手がかりがないのだ。


「もしかしたら、学院になら、なにか資料があるかもね。」


「学院?」


「首都ロンデルにある魔法協会学院。私はそこの籍があるから、調べられるの。

 今は休学中だけどね。」

「調べてくれるの?」

「一応あんた、命の恩人なんだからね。それぐらいはするわ。それにそろそろ、

 一度戻ろうかと思っていたの。ロインたちも死んじゃったし、ちょうどいいかなって。」


 なんてありがたいんだ。思わぬコネクションが得られた。このチャンスは逃すわけにはいかない。

 人間が魔法を専門的に研究している機関。そこなら、なにか手がかりがあるかもしれない。

 ぜひとも行ってみたい。


「歩いてどれぐらいかかるの?」

「馬車で二日ぐらい。金貨2枚でいけるわ。」


 馬車か。そういうのもいいかもな。

今まで壊してばかりだったけど、乗ってみるのもいいだろう。

 

 一泊明けて翌朝、我らはギルドに集合した。

フラヴィは昨日より荷物が大きい。住処を払ってきたようだ。

なるほど、我ならともかく、馬車で2日の距離をこの荷物持って歩くのは大変だな。


 そうそう、マンティコア討伐の賞金として、金貨10枚をもらった。

 魔獣の格に対し、あんまり高くはないそうだが、事前に賞金がかけられてたわけでもないので、

こんなものだという。我としてはただありがたいが。

 受勲の誘いもあったが、断っておいた。

 そうそう、一応ギルドからも功績が認められ、我は冒険者ランクがFからDに特進するらしい。


 せっかくなのでフラヴィの馬車代はここから出そうかと聞いたが、

歩いていけるノジーを付き合わせるんだからいいと断られた。

そもそもパーティの戦果として山分けでもいいかとも思ったが。


「なあ、逆にフラヴィはなにか目的があって冒険者やってるのか?」


 馬車出発までの待ち時間に質問を投げかけた。

 一応、知っておいたほうがいいことだと思って聞いたが、我がこんなに人間の内面に

興味を持つ日が来るとはと自分でも驚いた。


「そうね。なんでこんなことやってるんだろう。すごい魔法使いになるためかな。」

「ずいぶんアバウトだな。本当はもうちょっと考えてるんだろう?」


「ひとつ、古代の失われた強力な魔法を復活させることが目的なの。

 このあたりはかつてあった帝国の遺跡がけっこうあって。この前のダンジョンもそう。」

「古代?古代ってどれぐらい前だ?」

「はるか昔よ。4000年以上前だって言われてる。」

 

 4000年か。思ったほどでもないけれどなあ。人間の世界ではずいぶん昔か。

そういえば、それぐらいの昔に魔法技術が進んだ大きな国があった気がする。

たしかに、あの頃の人間どもの魔法はチクチクと痛かった。


「私ね、ロンデルじゃ魔法の名門って言われる家の生まれなの。

 その割には魔力が低い方でね。12女だし、親も、家族も誰も私のことを

 気にしてなかったし、期待してなかった。」


「魔法学院には入れたんだけどね。家柄へのやっかみか、あとは私の性格も……あるだろうけど。

 正直、周りから孤立してたし、教師からも好かれてなくて、成績もいい扱いじゃなかった。

 だから卒業したら、適当な家にお嫁に送られるだけ。あとはその家を殆ど出ずに。

 つまらない人生を送るだけ。何も成し遂げることもできずにね。

 そう思ったら休学して街を飛び出してたの」

 

「だからね、古代の魔法も知りたいけど、本当はなにか一つでも成果を上げて、

 みんなを見返してやりたいだけなのかもしれない。」 


 フラヴィは人間にしては立派な魔法を使うと思っていたが、それでも彼女の中では

落ちこぼれらしい。冒険者という立場、見ているとろくな地位ではなさそうだが、

彼女はそれ以上に自由がほしかったんだろう。少し、自暴自棄じみたものも感じるが。


「そうか。なら我も、古代魔法の復活とかに協力しよう。力になれるかもしれん。」


そう言うと、フラヴィがフフンと笑った。

「あまり期待しないでいるわ。」


 ああこれ本当に期待されてないし、冗談ぐらいに受け止められてるな?

 むしろ我、自分の体でずいぶん食らったし、目の当たりにしたぐらいなのになあ。

 しかし流石に4000年前。暇なときになにか思い出しておくか。


 そうこうしているうちに、首都行きの馬車が来た。

 主要な交通機関として整備されてるもので、利用者も多いらしい。

 屋根のない荷車が3台連なったもので、大柄の馬が3頭連なって引くようだ。

 

 お陰でフラヴィの荷物を含めても余裕で座れる。

 ほかは、行商人、親子連れ、冒険者風……。

 

 その中でひときわ目立ってる若い女が居た。

 かなり跳ね上がった癖のある銀髪を腰まで伸ばしている、毛玉みたいな女だ。

 シミターを腰に差しているところから、冒険者よりの存在だろう。

 まつげの長いはっきりした顔立ちと、猫じみた口元の美人である。


 それだけでも目立つのだが、体つきがシェリー以上に肉付きが良く、ケープで隠しきれていない。

 それが何かと風通しの良さそうな穴の多い服から横乳やら腿やらが見え隠れするのだ。

 我がドラゴンのときだったら思わず食いついていただろう。

 

「ここ、空いてますか?」

 その痴女が、我らの向かいに座った。

 

 馬車が出発する。乗客は我ら合わせて15人だ。

 乗り心地がいいものではないが、街道が石畳で整備されているため、思ったほど揺れはしない。

 開けた草原の真ん中を走る街道をゆっくりとした速度で進んでいく。

 あたりには蹄の音と、乗客が始めた世間話の声に包まれた。

 

「お二人は親子……ではなさそうですね。恋人?でもないか。」

 

 まるで挨拶のごとく、眼の前の痴女が我らに話しかける。

 そうか、我とフラヴィは親子でもおかしくない歳か。

 見るからな魔道士と村人風の中年男性、よくわからない組み合わせだ。

 

「仲間よ。冒険者同士のね。」

 

 フラヴィがちょっとめんどくさそうに答える。愛想が悪いぞ。

 

 「はじめまして。我はノジー。こちらは、フラヴィ。連れの言う通り、

  冒険者をやっております。」

  

 これぞ大人のコミュニケーションだ。

 まあ、身体の持ち主の記憶があるからできることだが。

 

「へえ、フラヴィさんはともかく、ノジーさんはあまり見えないですね。

 武器も持ってないし、何より見た目が優しそうなので。」

  

 結局武器は買ってないのだ。何を選んだらいいのかわからなかったし、あっても弱体化するのだ。

 

「ノジーは魔法で戦うから、素手のほうが強いのよ。空手に魔法を乗せて戦うの。」

 

「へえ、魔拳ですか。珍しいですね。」

 

 んん?そんなものがあったのか。じゃあ、無理して武器使うこともなかったんだな。

 フラヴィの方を見ると、そういうことにしておいてあげる、と目が言っていた。

 

「ところで、あんたの名前は?」

「ああ、名のるのが遅れました。私も冒険者のエミリア。ダンサーもやってます。」

「なるほど、やっぱりその衣装からするに、バトルダンサーってわけ。」


 話は見えないけれど、とりあえずうんうんと頷いておく。

 

「剣舞で戦うタイプの人よ。」

 

 フラヴィが解説してくれた。理解ってないことバレてたか。

 

「私以外に冒険者の人が乗っててくれて助かりました。最近、物騒なので。」


 そうなのか。最近以前のことがわからない。50年寝てたし。


「最近、どういうわけか、魔獣とか魔物の出没が異常に多いらしくて。

 だから、若い女性はあまり街の外には出ないほうがいいって。」

 

 魔獣の異常出現、か。割と思い当たる。いくら人間の姿になったとはいえ、

あまりに強力な魔獣魔物と連日のように遭遇しているな。


「最近なんて、マンティコアが出たんですって。すぐに退治されたらしいけど。」

「そのマンティコアは、ノジーがパンチで倒してくれたわ。」

「あはは、ノジーさんはお強いんですねえ。」


 余計なことを言うんじゃないよと思ったが、エミリアは冗談と受け取ったようだ。

 

「噂によると、新しい魔王が産まれ、魔族の動きが活発化してるんじゃないかって聞きました。

 不安ですね。」

 

 魔王、か。幾年かごとにあらわれる、人類の敵の頂点。

 魔族のなかでもとびっきりの力を持った突然変異だ。


「前回の魔王が倒れてから、しばらく長い間、聞いてなかったのにね。

 今回もただの噂ならいいのだけれど。」


「魔王、その下の古代竜らの魔族共が暴れたら、また暮らしにくくなりそうですね。

 冒険者としては仕事は増えるかもですが……。


 ん?いま古代竜って。我ら、魔王の配下ってことになってるの?

人類からしたらそりゃどっちも敵だろうけれど。我と魔王共、全然仲良くないぞ?


「その、エミリア。我よく知らないんだけど、魔王の配下についた古代竜でもいるのか?」 

「??」


 我が質問を返すと、エミリアはわけがわからないという顔をした。

 その反応を見るに、やっぱり古代竜をはじめとした竜族は魔王の一味というのが人間たちの間では常識のようだ。

 そりゃ、ワイバーンなどの最下等の竜は魔族に飼いならされるやつもいたけどさ。

 

 考えてみれば、我らが魔王軍との関係を否定したこともないし、魔王軍もわざわざ

我らが配下ではないと伝えることもないだろう。そのまま誤解が続いてるようだ。


 我があいつらの手下だと思われてることはあまり面白くはないが、今否定する必要も

説得力も持ち合わせていないので、話はそのまま流すことにする。

 

「それが本当なら、勇者も現れる頃でしょうね。」

「早く出てきてほしいねえ。」


 勇者とは、選ばれしものとも呼ばれる、魔族に対する人類の防衛システムである。

 突然変異のような飛び抜けた戦闘力を持ったものが、人類のピンチ具合に応じて現れるのだ。

 

 ちなみに、力を持ったものは一人ではなく、準勇者級と呼ばれるものも含め複数が現れるという。

 魔族の活性化に合わせ、次々と現れる勇者達は大抵最後は魔王共を倒し、世界の均衡が訪れる。

 時代はそう繰り返してきた。

 

 その力も割とピンキリなのではあるが、かつては古代竜の一頭が、勇者によって殺された例もある。

 なかなかドラゴンにとっても危険な奴らだ。

 

「いやなものですね。そう言ってたら、出てきたみたいです。」


 エミリアが、真剣な顔をして周囲を見渡した。

 周囲から悲鳴が上がり騒がしくなる。魔物の襲撃のようだ。

 

 茂みから現れたのは凶暴な狼の頭を持つ、屈強な獣人。ウェアウルフが5頭。

 それぞれの手には何らかの動物の骨や、棒切を持っている。 


 こいつらも、わざわざ人間など襲わなければいいのになあ。

 他に食べるものもあるだろう。魔王軍がどうしたらこんな馬車を襲うようになるんだ?

 

「冒険者の皆様方、お願いします。報酬は後で馬車組合から支払われますので。」


 護身用の剣を持った御者がそう言うと、乗り合わせていた冒険者が武器を手に立ち上がる。

 我、フラヴィ、エミリア、ヒゲを生やした戦士風の男の4人だ。


 偶然戦闘員が乗ってなかったらどうするんだ?とも思うが、その時はその時で

乗客全員で対処するらしい。


「こりゃあまずいな。今までこのあたりじゃ出たことないような魔物だ。

 まさかこのあたりでウェアウルフが5頭とは。」

 

 髭の冒険者はしかめっ面で言う。

 

 フラヴィはすでに小声で魔法の詠唱を始めていた。


「フラヴィさん、魔法お願いね?敵はひとまず私が惹きつけますので。」


 エミリアが馬車から降り立つと、ケープを脱ぎ捨てた。

 下から、ひらひらとした露出度の高い踊り子衣装が露わとなる。

 一歩前に出てシミターを抜くと、両腕を頭上に掲げ、ゆっくりと舞いを踊りだした。

 

 ウェアウルフをはじめとした周囲の視線がエミリアに集まる。

 脚を上げ、ステップを踏み、柔らかな肉体に、衣装が追従する。

 

 見事なものだ。獲物がこのように誘う動きをしたら、大抵の魔物はそれに

 釘付けされるだろう。というか、我ですらその一人だ。すごいぞ。

 

 涎を垂らしたウェアウルフが一体、我慢できなくなったのか、エミリアに襲いかかろうとする。

 だが、一見して隙だらけに見えたその動きは次の瞬間、シミターを振り下ろす攻撃に変わった。

 

「がアアッ!!」


 ウェアウルフの胸が切り裂かれ、斜めに筋が入った。続いての手先、鼻先と流れるように

見惚れるようなコンビネーションが続く。


 「離れて!」

 

 そこでフラヴィの魔法が完成した。

 杖から火球が3連続で発射されると、それぞれがエミリアに気を取られていたウェアウルフに直撃し、

大きな炎の柱となって包み込む。やったな。


「良し!こっちは任せろ!」


 髭の冒険者が長剣で残り1体のウェアウルフに果敢に切りかかった。

 体格は負けているが、剣先でひねりこんだ最初の一撃が相手の利き腕に入った。


 あとは武器と技の差で勝てるだろう。

 ……ん?今回我なにもしてないなあ。まあいいか。

 

 エミリアの一撃がウェアウルフの急所に入り、倒れる。

 一撃一撃が浅いとはいえ、タフな相手だった。結構な数の攻撃を入れたものだ。

 

「はぁ、はぁ……これで、終わりですね?」


 ウェアウルフ共は全滅していた。

 さすがに疲れたのか、エミリアがへたり込む。

 

「フラヴィさんたちが居てくれて、よかった。危なかった~~。」


 エミリアが丁寧な態度を崩して安堵の声を上げる。

 エミリアの踊りは大したものだが、実際、ウェアウルフ5体を相手にできるようなものではないだろう。

 華麗に見えて、その実かなり緊迫した戦いだったのだ。

 

「あんたら、すごいんだな。お陰でほぼ被害がなかった。」


 一体を倒した髭の冒険者がに声を掛けてくる。その腕には、ウェアウルフのツメが掠ったのか、

切り傷ができていた。


「おヒゲさんもありがとうございます。怪我、直してあげますね。」


 そう言うと、エミリアは髭に回復魔法をかけはじめた。そんなものも使えるのか。

 自分も大変だったろうに、聖女かこいつ。


「皆様、ありがとうございます。お陰で皆助かりました。このことは馬車組合から

 冒険者ギルドに伝えさせていただきます。賞金も出してもらいますよ」

 

 御者がそう言うと、他の乗客から拍手が上がった。今回我は何もしなかったので、

一緒に拍手をする側に回った。

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