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人食い邪竜、やさしい人間のおっさんとして生きます  作者: 伊沢新餌
1章 気がついたらおっさんであった
14/18

14話 登城

 

 魔光球をめちゃくちゃ光らせて、フラヴィの父親にマウントを取るつもりが、

 突然勇者扱いされて呆然とする。

 

「我が勇者の発見をできるとは素晴らしい。

 その歳まで何をやっていたかは問わん。さあ、一緒に来てもらおう。」 


 いや我は違うぞ。あんなものとは断じて違う。

 この力は竜として生き抜いてきた結果身についたものだ。

 あんな人間の突然変異といっしょにしてもらっては困る。

 

 どうやら我は、魔力の高さから勘違いされてしまったらしい。

 たしかに面白がって魔力を見せすぎた。こいつの言う通り、あんなの人間じゃない。

 しまった、ちょっとゲイルより上ぐらいで止めておくんだった。

 

「いや、我、勇者じゃないから。」


「それだけの魔力を見せつけておいて何を言う。そんなの、神の加護でも受けない限り無理であろう。

 さあ、王城にいくぞ。今からでも謁見ができるはずだ。」


 そんな、魔力の高さだけで決めつけられることなのか?

 我の見せた魔力がそれほどだったと言えばそうなのかもしれない。

 しかし、正直我は勇者にいいイメージがまったくないので、あれと一緒にされたらわりと嫌だ。


「いや、断るわ。勇者でもないし、謁見もしたくない。」

 

 こいつは人間としては位が高いらしいが、関係はない。断ってやる。

 はっきり言って、こいつは我からしたら偉そうなやつである。

 

「何だと、お前はこの名誉がわからんのか。全く、愚か者め。

 そもそも平民のお前に、拒否する権利などあると思うのか?」

 

 こいつ、あれだけの力の差を見せても、我が抵抗するなどとは全く思っていないのだ。

 どっちが愚か者というべきなのか。

 

 其れについてはまあ考察できる部分はある。

 相手は、我という存在が人間社会の範疇の外にいることを疑わないのだ。

 貴族というものを敵に回すと言うことは、国家社会を敵に回すことなのだ。

 

 勇者という存在がいくら強くても、家族や故郷をを人質に取られたら困るし、食料を奪われたら飢える。

 住むところ寝るところを奪われたら力尽きる。

 個の力がいくら強くとも、一人の人間は人間の群れには勝てない。

 

「お父様、やめてください。護衛と言いましたが嘘です。この人は私の仲間なんです。」

 

「お前は黙っていろ!余計な口を出すな!」


「……。」


 興奮した父親に一喝されて、フラヴィは何も言い返せなくなってしまう。

 心底父親という存在が苦手のようだ。

 

「おい、あんた、いい加減に……」

「の、ノジー、やめて!」


 見ると涙目でフラヴィが首を振っている。

 そんな目をしなくても、父親に暴力を振るったりはしないが……。


「クライヴィツ!ロイハト!来い!」 


 ゲイルが呼ぶとすぐに騎士姿の男が二人部屋に現れる。

 あっけにとられているうちに、二人は我に手錠をかけると、膝まづいた。

 

「さあ、勇者殿。一緒に来てもらおう。」


 なんだなんだ?こいつらは。

 勇者というのは手錠をかける相手なのか。こんなもんで我をどうにかできるというのか。

 そんな無礼を働いておいて、跪くとはどういうことだ。

 

 フラヴィはいつになくうつむき、どうしたら良いかわからない様子で、悲しい表情をしている。

 

 拘束されるいわれもないし、ものともしないが、少なくとも彼らはフラヴィの身内なのだ。

 この状況を好ましくは思わないが、フラヴィの家族を傷つけることをは避けたい。

 ひとまずは言う通りにすることにしよう。やるべきことは説得だ。

 

 そのままフラヴィとゲイル、騎士二人に日が落ちたばかりのまだ賑やかな街を連れられていく。

 おいおい、我ちょっと恥ずかしいぞ。

 手錠をかけられて、周りから不審な目で見られている。

 

 我の前を歩くゲイルに、フラヴィが我への狼藉を止めるよう説得している。

 だがもちろん、ゲイルは聞き入れる様子はない。

 

 フラヴィが黙ったタイミングで、我も勇者ではないから、お前が恥をかくだけだと説得するが、まったく聞く耳を持たない。

 平民の口出しなど聞かないというのだろうか。

 

 さて、次の一手だ。このまま跳んで逃げてしまうことはできるだろう。

 でもその場合、フラヴィはどうなる。

 

 まず今後街を出ることはできないだろう。そして、二度と会うことはできなくなるだろう。

 そして、フラヴィは望まぬ相手に嫁がされる。

 古代魔法も、父親のもとで良いように利用されるだけだ。

 この父親、下手をするとフラヴィを使い捨ての暗殺者にでも使うつもりだったのだろうか。

 

 理解ることは、この父親の元にいることで、フラヴィになにも良いことがない。

 今俺が逃げたら、間違いなく彼女は不幸になるだろう。

  

 ……逃げるわけにはいかないな。

  

 そして、15分も歩くと見えてきた。向かう先、王城だ。

 

 日中町中を散策してきたが、流石にここは近寄らなかった。

 突然の夕方の登城が許されるのか気になるが、門兵の話を聞くに、王の晩飯の時間までは許されるらしい。

 

 吊り橋が降りた堀を渡り、尖った塔がいくつも立ち並ぶ白亜の城塞に我は連れられていく。

 途中で兵に止められるも、ゲイル男爵が声を掛けると、


「そうですか、その男がと言い、道を開けていく。」

 

 どうやら王城の人間には話がついているようだ。

 何らかの魔術を使って、先に連絡を取っていたのだろう。

 おそらく、「勇者見つけられたし、至急謁見を望む」このあたりか。

 見た目以上に我は騒ぎになっているのかもしれない。

 

 そう言われても、我は勇者じゃないんだぞ。

 それでも、このまま王とやらにも勇者扱いされてしまったらどうするか。

 今度は魔光球に魔力を流すのを拒否してやるか。

 

 あれやこれや考えているうちに、大きな門から室内に通され、気づくと我は王とやらの前に引き出されてしまった。

 謁見の間は、我が元の姿であっても余裕で動き回れるだろう広さがある。

 人間には余分だな。精一杯小さい体を、大きく見せるためなのだろう。

 

 広い空間に、あちこちに見栄えの良い赤や金で織られた垂れ幕が下がっている。

 描かれているのは、この国か、王の一族の紋章か何かだろう。

 

 玉座に肘をついて顰め面をしているのは、銀の髭を伸ばした、我より年上であろう壮年の男。

 髪の色のせいでやや年食って見えるが、そこまでの老人でもあるまい。

 

「ゲイル・シルバ・マサヴァル。その男か。其が勇者だと申すものは。」


 フラヴィの父親の名前、ミドルネームまでついて大層なものである。


「ははっ。魔のものが蔓延り、世が乱れるこの折、とうとう我が国にも現れました。

 訪れしこの男こそ勇者でございます。」

 

「ふむ。あまり立派なものには見えぬな。一体、なぜその男を勇者だというのか。」

 

「我が目で見ました。この男には膨大な魔力があります。明らかに人を上回るほどの」


「なるほど。かつて現れた勇者はすべて魔力が高かったと聞く。して、どれほどのものか。」

 

「この男、魔光球より黒を生み出しております。」


「なんと……。」


 俺を置き去りに勝手に話が進んでいく。魔光球、やはりあれはまずかったらしい。

 ここまでなるべく力を隠してきたというのに。調子に乗って良いことはない。

 

「発言させて頂く!言っておくがな、我は勇者などではないぞ。

 だいたい、我が勇者だったとしてどうするつもりだ。そんなもの、栄誉に思っていないからな!」


「何と言う態度。王に向かってこれとは……。下賤なものをこの場に上げたことお許しください。」


「貴様、ここがどういう場所化わかっていないようだな。

 多少魔力が高く、もし勇者だったとしても我が前でその不遜な態度は後悔することになるぞ。

 勇者といえど我らは御する力もあるのだ。」

 

 王の傍で気配を消していた宰相と、ゲイルが揃って我の態度を窘めようとする。

 

「まあ待て。そうだな、質問には答えてやろう。

 そうだな、勇者になった暁には、我が国の英雄として讃えられるであろう。

 そして、ふさわしく栄光ある数々の仕事が与えられるであろう。」

 

 なるほど、側近が憎まれ口をたたき、王はていの良いことを喋り懐柔するということか。

 王が徳を見せかけ、市井のものを取り込もうとする手段だろうが、その手には乗らない。

 

 英雄、栄光などと魅力ある言葉でぼかしているが、結局は勇者の役割は、指図を受けて戦えということなのだ。

 魔族や他国の軍隊と。ドラゴンだって含まれる。

 

 こいつらのやり方は解っている。勇者というのは、体の良い人間兵器だ。

 

 今まで歴史上数多く現れた人類の突然変異、勇者。

 数多く出会い、時に戦うこともあったから、我はよく知っている。

 

 人間の集団は突出した個を許さない。特に権力についている側はそうだ。

 

 英雄として祀り上げ、それでも最後に名を残し穏やかに死んだものなど数えるほどだ。

 結局は危険物扱いされ、こいつらに使い潰されるのだろう。

 つまるところ、ごめんだ。

  

「どうやって我を勇者だと証明するというのだ。」


 どうやら口ぶりからして、勇者とやらを判別する方法があるのだろう。

 それを証明しないことにはどうにもならない。

 話をさっさと進めてしまおう。

 

「全く、物知らずは困ったものだ。判別すら受けたことないのか。あれを。」


 そう宰相が顎で合図をすると、通路から学者風の一団が現れる。

 小姓が台に乗せてくるのは魔光球であろうが、少し雰囲気が違うように見える。

 あれで判別するのか。

 

 ん?

 

「き、貴様は……。」


 一団とともに現れたのは、本日の朝出会ったばかり。

 そう、ダイゼン教授であった。

 ああこの。

 

 もう二度と会いたくないと思っていたのだが、こんなに早く再会してしまうとは。

 しかも、大分いやなタイミングでだ。

 

「なんだ、ダイゼン。貴様とこの男は面識があるのか。」


「こっこの男は……。学園で私に暴力をふるった不届き者でございます!

 資料館で私に因縁をつけ、たしなめたところ急に乱暴を!

 本日の登城が遅れたのはこの男のせいでございます。」

 

 この男の脳みそはどうなってやがる。

 言う事なす事まったく逆じゃねえか。

 脳髄まで捻じれてしまったのか?

 

 そういえば、あちこち面白い方向に身体が曲がっていたが、よくぞ今まともに歩けているものだ。

 

 いや、考えてみると歩き方もぎこちなかったし、よく見たら首元に湿布が沢山張っているから、

 まだダメージは完治していないのだろう。


「おや、ダイゼン教授、それは不憫なことであった。

 今は、この男が勇者かどうかが大事なところだ。

 さあ、早く選定球を使わせていただこう。」

 

「ゲイル、貴様が連れてきたのだったな。ええい、このような男が勇者であるわけがない。」


 ゲイルもダイゼンもどちらも好きではないが、今回ばかりはダイゼン教授に同意したい。

 

「さあ、市井のものよ。選定球にてお前の使命を明らかにするが良い。」


 宰相がそう言うと、我の隣に選定球とやらが運ばれてくる。

 少なくとも、この場で抵抗して、やらないというわけにはいくまい。

 

 勇者ではないが、先程のように力を出さぬように慎重にセーブしよう。

 手に繋がれた鎖がやや緩められ、我は選定球に手のひらを乗せてみる。

 

「むっ!?」


 思わず声が出てしまった。先程の魔光球とは違い、急に力が吸い取られるような感覚。

 これは、ぜんぜん違うものだ。

 我の中に入り込み、その力を探るような作用を感じる。

 これは、まずい。セーブの仕方がわからないぞ。

 

「おおっ!?」

「輝き出した……。」


 周囲の学者たちが騒ぎ出す。どいつもこいつも丸メガネをかけやがって。

 

 一瞬球の色が黒く濁ったかと思うと、あたりが闇に包まれていくように暗くなる。

 これは、闇?

 

 そして次第に、球の表面に色の違う絵の具が混じり合わせたような複雑な色が生まれ、

 それが混ざったり分離したりしながら渦を巻きはじめる。

 

 それは歴史より古い伝説に聞いた、そらに有るというガス惑星を思い起こさせるものだった。

 

「なに……!?何だこの色は。初めてだ。」

「これは一体?いや、凄まじい魔力であることはわかるが……。」


 どうやらこの反応は初めてらしい。

 ダイゼン含め、選定球の色を見た周囲の人間が騒ぎ出す。


 ダイゼンが引き連れてきた、魔法の研究職らしいおっさんどもがあれこれ言い合っている。

 魔光球と違い我にはわからないが、魔力の多さももバレてしまっているのか。

 どうやって見てるんだ?これ

 

「まさか、魔族……!?」

「いや、だとしたらそもそも球に触れないはず。」


「文献にはないのか。」

「まったく……。千年以上の記録で初めてです。」


 もういいだろう。我は面倒になったので、選定球から手を離す。

 闇が晴れ、あたりが少し明るくなる。

 あんな色合いで、周囲の光を吸い込んでいたのか?

 

 あたりは我をおいて今も喧々諤々と言い合っていた。

 自分が凄まじく面倒そうな顔をしているのはわかる。

 

「静粛にしろ!結果だけ教えれば良い。」


 王が一喝すると、喧々諤々と騒いでいた周囲の人間がぴたりととまった。


 そして、小声で話し合った後、おずおずと研究者の一人が前に出て、王の前に跪く。

 

「王よ、このものは……。」


 あれ、なんでドキドキしてるんだ我。

 おい、もったいぶるな。

 

「勇者ではございません。」


 ……ほらね。

 

「なんだと!?膨大な魔力があることは解ったはずだ。このモノは別のなにかだというのか。」


 結果に不満なのは今のところゲイル一人らしい。

 いいよもう。納得して引き下がってくれ。

 

「勇者であれば、神の加護、黄金色に輝くはずです。

 この者が出した光は聖のものでも魔のものでもなかった。

 おそらくは、ただ単に大変に魔力が大きいだけのものかと。」

 

「清光を調べる宝石も反応しませんでした。……勇者ではないです。」


 いつの間にそんなものを用意してたのかと思ったが、つっこまないでおく。

 報告を聞き、ゲイルの顔に悔しそうな顔が浮かんだ。

 

 うん、勇者じゃなくてごめんよ。

 でも、我は違うって言ったし、悪いのはお前だからな。


「くッ……。なんということだ。王よ、この失態、申開きできませぬ。」


 苦渋の顔でゲイルが跪く。

 

「よい。勇者の発見は急務。

 これからも間違いは恐れず、めぼしいものが居たら連れて来るが良い。

 それに、そのものは魔力は十分以上に高いのだろう。ならば、使いようはあるはずだ。」

 

「いやいや、勇者ほどではないものの、ゲイル殿も良いものを見つけられた。

 せっかくなのでそのもの、吾輩が預かりまする。」


 ゲイルをフォローするように割り込んできたのが、ダイゼンである。

 ゲイルに貸しでも作っておこうという魂胆だろう。

 その狙いはフラヴィか?

 いや、とにかくお前は引っ込んでいてくれ。

 

「ちょうど魔力の高いものを使って実験をしたかったところ。

 また他にも、これだけの魔力の宿った血を抜けば、いろいろな魔道具が作れるでしょう。

 骨なども使えば、強力な魔法爆弾を作ることも可能かと。」


おいおい、一体何を物騒なことをいってるんだこいつは。

人をなんだと思っていやがる。


「わかった、その男の扱いはダイゼン、お前に任せよう。良い結果を待っている。」


 さっきまで徳を見せようとしていた王が、我が勇者でないと解った途端に、

 使い捨ての実験動物と同じあつかいにシフトしたのだ。

 もう我にも興味がないといった風に、目をそらして手を振っている


「申し上げる。王よ、我は罪を犯したわけでもないただの一般人だ。

 そこのダイゼンとやらが言ってることはただの言いがかりだ。

 だから勇者じゃないと解ったならば、さっさと開放してくれ!」  


 我は罪人でも何でもない故、そのような扱いをされる謂れもない。流石に我も抗議した。

 これ以上我に面倒をかけないでくれ。

 

「なぜ王がお前の言う事を聞かなければならない?お前に利用価値があると解ったのだ。

 それだけで十分だろう。さあ、連れて行け。もう今日は終わりだ。」

 

 宰相がそう言うが早く、我より大柄の兵士が取り囲み、連れて行こうとする。

 ええい、なぜこうなる!いくらなんでも扱いが悪すぎるだろう!


「グッ!!」


 そう思い身体を翻そうとした途端、背中に衝撃が走る。

 見ると、兵士の一人が、制圧用の大きな鉄棒でおもいきり我の背中を殴りつけていたのだ。


「大人しくしろ!」


 痛くはない。だが、我がただの人間だったらどうなっていることか。

 今までも十分理不尽であったが、流石にこれにはイラッとくる。

 

「発言を!発言を許可してくださいませ!」


 その時、間に高い声が響く。

 どうしてやろうかと思った途端、声を上げたのはフラヴィだった。

 青い顔でうつむいたまま、発言権を求め、手を上げている。

 

 そこにはいつもの生意気な態度はなりをひそめていた。

 玉座の間で、王と、起源を悪くした父親の前で声を振り絞るのは、どれだけ勇気が必要だっただろう。

 身体も声も小刻みに震えながらの発言だった。だが。

 

「ならん!その男をかばうつもりだろうが、不要だ。」


 静止したのは、父親のゲイルだった。

 

「これ以上、王の前で恥をかかせてくれるな。

 そもそも、お前があのような男を連れてこなければよかったのだ。

 帰ったら、これからのお前の処遇も考えなければならん!!」


 止めたのに無理やり連れてきたのはお前だろうに、娘にさらりと責任転嫁している。

 やっぱり、この男はろくでもない。

 

「あー!わかったわかった!大人しく連れて行かれるから!

 背中も痛くないし、フラヴィもひとまず家に帰ってくれ!」

 

 このまま話がこじれれば、下手するとフラヴィまで殴られてしまうかもしれない。

 

 今はこの空間を流してしまおう。

 脱出する方法は後で考えればいいだけの話。

 俺はフラヴィにニヒルな笑顔を見せ、全くいつも通り、平気であるアピールをした。

 

「ノジー……!」


 見ると、フラヴィは涙目だった。思っていた以上に、我のことを心配していたらしい。

 もしくは、このようなことになってしまった罪悪感があるのか。

 そんな顔しないでほしい。両手が繋がれてなければ、親指でも立てたいところである。

 

「ところでゲイル殿、できればフラヴィ殿を私のところで預かりたいのだが……」


 早速フラヴィを手に入れようと交渉を始めたダイゼン達を背に、我は牢獄へと連れて行かれるのであった。

 

 

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