74 どうしてそっくりなの?
「おとなのスールしんさまは、どうしてフランくんにそっくりなの?」
「彼は、私の中の愛の欠片。
最後の希望だから。」
「んっ?えっ?
どういうこと?もっとくわしく!
それでは、よくんかりません。」
「だから言うておるじゃろう。
こやつは、この世界に失望したのじゃ。我の糧になれば本望じゃろうて。」
「いやっ。糧になる事は望んでいない。」
「ふっ神が人間を見捨てるなど、己の存在意義を捨て去った様なものじゃろ。」
「見捨ててなどいない。」
「かってにじぶんに、つごうよくかいしゃくしてるだけでしょ。
スールしんさまはみすててないっていってるでしょ。」
じっとりとした不愉快な視線を向けて来る女。
ゾワゾワと肌が粟立つ。
「我が見捨てたと言ったら見捨てたのだ。」
「だだっこ‥‥‥」
駄目な子をみる目で女を見つめるリズ。
「ぐっ。 だっ誰が駄々っ子なのじゃ。おぬし、本当にいい性格しとるの。」
じーーー。見つめるリズ。
「とっ兎に角、こいつは自分の中の大切な部分を捨てたのじゃ。」
「捨てていない。逃がしただけだ。
うっかり、術中にはまってしまい不覚。」
「けんかいの、そういが、ひどい。
はーい、スールしんさまのけんかいを、さいようしまーす。」
「ぬっ何故じゃ。
我の意見の方が正しいであろう?」
「ん〜いつのじだいも、うばうことばかり、かんがえているものに、ろくなやつはいないのよ!」
ビシッと女を指差して、キメ顔のリズちゃん。
イラッとした女は、皆が気が付いた時には王と王妃をむんずと掴んで、魔法陣へと放り投げていた。
「あぁぁぁぁぁ‥‥‥‥‥。」
「きゃゃゃゃゃゃ‥‥‥‥‥‥‥。」
魔法陣の中で浮かぶ2人は悲鳴を上げたかと思うとすぐに、意識を失い脱力した。
赤い唇を歪に引き上げてにいっと笑う女。
髪の艶が増し、喜ぶ様にウネウネと踊る。
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