70 何処で間違ったのか。。。
「リリアンヌっ。
リリアンヌっ。
リリアンヌっ。」
「リリアンヌ。ここから出してくれ。」
「リリアンヌ〜。」
1人叫び始める王太子。
皆がギョッとして王太子を見る。
女に向って叫んでいるが、最早到底リリアンヌとは似ても似つかぬ容姿になっているのだが、王太子には今もなお女がリリアンヌに見えているようだ。
「リリアンヌ〜。リリアンヌは私の物だ。誰にも渡さぬ。
さぁリリアンヌ早くここから私を出してくれ。」
そんな王太子を見て王妃は泣き始める。
皆は困惑して、王妃と王太子をみる。
そんな中、
「あなた、ダメダメおうたいしに、なにしたの??」
と、又もや空気を読まず質問するリズ。
「ふっ、こやつほど簡単な者も珍しい。我はこやつの見たい者を見せてやっているだけ。」
「どうゆうこと?」
面倒くさそうな顔をしつつ。
「城の祭壇の中央に供物を置き、我の言う通りにせよ。と我は囁いただけ。
さすれば、望みは手に入るであろう。とな。
こやつは、面白い程に熱心に我に供物を捧げ結界を破壊するとも知らずに、五芒星を反対回りでなぞりつづけたのじゃ。
なぞればなぞるほどに、結界は緩み我に力が宿る。
クックックックック。
我の姿はこやつの望み。
叶ったと思った望みが幻想だったと知れた時の絶望はまた、格別。」
そう言った女は。
クルンっとその場で回転したかと思うと、先程の美しいリリアンヌを模した姿に戻った。
ススススーと王太子の側までゆくと。
妖艶な笑みを浮かべて、王太子の顎をくいっと持ち上げ、見つめる。
「あぁ、リリアンヌ。」
と呟き恍惚の表情を浮べる王太子。
しかし、次の瞬間には苦悶の表情に変わり苦しみだした。
嬉しくてたまらないと言うように笑い出す女。
「はー、絶望は最高じゃ。」
その場にバタリと倒れる王太子。
それを見て王妃も気を失った。
それを横目に見ながら、リズは考える。
2代前の王様が祭祀を取りやめてしまった事でゆっくりと結界が緩み、神を信じ敬う気持ちが無くなってゆくことで人々は慢心してしまったのね。
守られている事を忘れ、感謝を忘れてしまって。
王様は自分が1番偉いと思い、民は王様の言う事を聞いていれば幸せになれると思い込んだのか、思い込まされたのか。。。
これはむしろお父様達、公爵家などがお祭りを今もなお続けているのが奇跡かもしれない。
止めてしまってたらもっと、ルドベキア王国の崩壊は早かったかもしれないね。
トドメを刺したのは、王太子ガブリエルのリリアンヌちゃんへの異常な執着心か。
そんなに執着するなら、もっとまともに愛情表現すれば良かったのに。
大切にしてたら、リリアンヌちゃんだって同じは無理でもきっと愛情を返してくれただろうに。。。
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