66 フラン君、知り合いですか?
複数名の足音が廊下からこちらに近付いてくる。
飛び込んで来たのは、パキフィツム公爵家とビバーナム公爵家の者達。
皆、考える事は同じらしく状況確認に来た様だ。
こちらは両家共に当主が来ていた。
と言ってもカイルと同世代の者達なのだが。
王の間に入って瞬時に防御壁を展開した様だが、防御壁の中でさえ立って居られず片膝を付いてしまっている。
小さいのに一人で立っているリズがいかに異質かを良く表す光景となっていた。
申し訳ないがそちらに迄、リズの防御壁を展開する余力は無さそうだ。
是非ともご自分達で持ち堪えてほしい。
リズは考える。
あの、魔法陣は一体何だろうか?
あの大木がエスポストア様だとするなら、何故エスポストア様はあの魔法陣から生えているのか?
そして、魔法陣の光とエスポストア様から出る光が反発し合っているように見えるのは何故か?
この女は何故フラン君にロックオンしているのか?
「ねぇフランくん、これ、しりあい??」
「いえ、全く。」
「そう、でもあちらは、しってるみたいよ?」
「えぇ、全くもって不愉快ですね。」
「そう‥。」
リズは考える。
埒があかないので、状況が分かりそうな者に聞いてみようか‥。
「えぇあなた?もしもーし、わたしがみえてますかぁー??」
視界に入ろうとぴょこぴょこ飛んでみる。
すーっと、視線をリズに向け興味無さげにすぐにフランに視線が戻る。
むむむっ。
くるりと振り返り、フラン君に手を伸ばし抱っこのポーズ。
えっこの状況で‥。
と、苦笑しつつリズを抱き上げるフラン。
抱き上げられた事で、相手の視界にリズが嫌でも入り非常に嫌そうな顔の女。
「フランくんは、わたしのたいせつだからあげません!!!」
と、宣言する。
「先に見つけたのは我ぞ。」
「そんなん、しらんし。
わたしとフランくんは、いつもいっしょよ!」
「我が見つけたのに、あやつが隠してしまいおった。忌々しい。」
と言うなり、女は後ろを振り返り大木に向って手を伸ばし黒いもやを飛ばす。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
苦痛の叫びが聞こえてくる。
赤い唇をにいっと歪に引き上げて、こちらを見る女。
リズは別に興味有りませんよ〜と言う表情で。
「あの、まほうじんはなに?」
と質問した。
女はおやっ?という表情で。
「気になるのは、そちらか?」
リズはもう一度、
「あのまほうじんはなに?
あれ、あなたの?」
と聞いてみる。
女はつまらなさそうに、
「あれは我の。
皆あれに飲み込まれて、我の糧となるのだ。」
ニヤッと皆を見回し。
「そなたは、特別に我の側に置いてやるぞ。」
と、フラン君に甘い声で囁く。
女の甘い声に肌が粟立つ。
腕を擦るリズ。
あの魔法陣に飲まれたらこの女の糧になるのか。
と言うことは、今まさにエスポストア様は飲まれそうになってる??!
そしてエスポストア様は、フラン君を隠したとこの女が言っている誰かを抱えて守ってる???
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