63 真っ暗な王の間
王の間。
謁見の間。と言った方が分かり良いだろうか。
こちらも、大きな扉の前で護って居たのであろう兵士が倒れていた。
兵士に向って「えいっ!えいっ!」と手を振るリズ。
「ここはこれでよしっ!」
薄っすら汗をかく、なんて可愛い事はなく、代謝の良い1歳児は汗だくつゆだくである。
扉を開き、ゆっくりと中に入‥‥‥‥‥‥‥ろうと思ったのだが、異様な禍々しさに一旦閉じた。
‥‥‥‥‥‥‥。
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‥‥‥‥‥‥‥‥。
「今のはなんだ??」
「何か見えましたか?」
「みえなかったけど、なかにひとと、ひとでないものいるね。」
「ちょっと、どうにかしないと、なかにはいれないね。」
そうこう言っている内に、扉の隙間から黒いもやもやが出て来るのが見える。
「フランくん。いっかいじょうかのひかりなげいれてみるね。」
と言って、フランから降りるリズ。
「僕が合図をしたら一気に扉を開けてもらえますか?」
と、騎士の2人にお願いする。
頷いて2人は扉を開ける位置に着く。
リズは自分の小さな手を見た。
紅葉の様な可愛いお手て。
手を合わせて、少しずつ手の中に光を貯めてゆく。
そして少しずつ、育てるように丸く丸く大きくしてゆく。
リズが手を振っているだけの時には見えなかった光が、今は皆にも見えるほどに大きな玉となり輝いている。
リズ一人では頑張って投げても中には届かない。
なので、フランに手伝って貰ってボウリングの様に転がす。
フランの「お願いします。」の声に合わせて扉が開き、リズとフランは光の玉を力一杯転がす。
扉が開いた瞬間、中から黒いもやもやがもやもや〜と出て来たのかだか、光の玉がコロコロと転がってゆくと光に触れた辺りから、もやもやは消え去り。
真っ黒たった空間が光を得て、皆にも見える様になって来た。
光の玉は小さくなりながらも、コロコロと転がり奥の方で何かにぶつかった。
「ほうっ。」
と、知らぬ声がして。
声の主であろう足が光の玉を踏み潰す様が見えた。
踏み潰された光は弾け飛び、部屋中を照らす。
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