50 違和感
十日でアラン様が帰って来た。とても疲れた様子でその日は、
「明日から忙しくなるので一先ず休む」
と言って寝室に直行。リリーちゃんがかいがいしくお世話をしていた様だ。
次の日起きて来たアラン様は、皆よりも遅い朝食を取りながら。
「公爵家と辺境伯家が治める領地は変わり無かったが、王都に近付く程に人々はイライラと殺気立ち治安も悪くなっていた。
王都で人に交じって暮らしていた龍族の者から、こちらに避難したいとの要望が多数あり了承して来た。
暫くすればこちらに移動してくる手はずになっている。」
「分かりました。」と頷くリリーちゃんとフラン君。
それに頷き返してから、頭が痛いと言わんばかりにこめかみに手を当てながら
「王都の様子がおかしいが原因が分からない。」と言って黙り込んでしまった。
都外に親戚や頼れる先のある者は既に移動を開始しており、行くあての無い者は皆でこちらに移って来る手はずを整えて来たらしい。
流石アラン様である。
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更にアラン様の帰宅から五日後にオリヴィアお祖母様が帰って来た。
皆で午後のお茶を頂きながら話を聞く。
「領地は特に変わりなく皆元気だったわ。領地までの道のりも特に問題なく皆で移動できると判断したわ。
カイル様にも王家の神事について問い合わせておいたから、そのうち返事が来ると思うわよ!」
と明るい様子のオリヴィアお祖母様。
そこに「オリヴィア殿。」とアラン様が話かけ自分の見聞きして来た情報を伝える。
「それは心配ね。」と考え込むオリヴィアお祖母様。
明るい表情から一転、王都に残して来た家族や屋敷の皆を心配してソワソワ落ち着かない様子のオリヴィアお祖母様。
皆が王都の異変を不思議がる中、リズは一人何か引っかかるな~と考え込んでいた。
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次の日から沢山の龍族の者がアランを頼って引っ越して来た。
皆疲れきっており、
口々に王都に黒い靄が出始め、その濃さに比例するように治安も悪くなっていったと話す。
あまりの急速な治安の悪化に日常生活が送れなくなり、丁度代表者をアラン様の所に向かわせようと相談している所だったらしい。
アランはグループごとの代表者を集めて話をし、皆の住まいを作ってゆく。
アランが何も無い空間に手をかざし何やらブツブツ呟くと光が溢れ、家が現れた。同じ事を三度行い三つの家を作りだした。
少し空間に変化を感じるが一瞬の事ですぐに馴染んで分からなくなる。
見た目はアラン邸と同じ様に小さな一軒家だ。
だが中に入るととても広く様々な部屋が有る。
「わあ~フランくんあれはどうなってるの??」
「この空間は特別仕様で、アラン様とリリー様のお二人はこの空間を自在に操れるんだ。住む人が増えれば空間自体を広げる事も出来るんだよ。」
嬉しそうに話すフラン。
「ふわ~ふたりはすごいのね!!」
不思議な話に目をキラキラさせるリズ。
皆移動で疲れているだろうと、各自部屋に入り休んでもらう事にする。
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