④リリアンヌの秘密
今日は放課後王太子妃教育の為に王城へ。
そこで桜はリリアンヌが何故、自信が無く内気になってしまったのか、原因を知ることとなる。
王城では、王太子妃教育とは名ばかりの王妃によるひたすらリリアンヌを罵倒するだけの時間が待っていた。
「貴方のような無能で何の取り柄もない女が私の息子の嫁だなんて。忌々しい。
公爵家に産まれた事さえ間違いなのよ。己の罪深さを知りなさい。」
今まで永遠とも思える時間をただ俯いて堪え忍んでいたリリアンヌ。
(あーこんなことをまだ幼い頃より吹き込まれ続けたら、そりゃこんな性格になるわなっ。)と思う桜。
そんな事を考えていると、
「聞いているの?!」と怒りの声と共に何かが投げつけられ、私の頬をかすめる。
扇子だ。
王妃は怒りに任せ扇子を投げ、私の頬は切れて血が滲みだす。
「ふんっ。傷はいつもの様に自分で治しなさい。決して公爵家の人間に気づかれてはなりませぬ。」
もう一度大きく「ふんっ」と言うと、私に飲みかけのお茶を掛け部屋から出で行った。
怒り過ぎて私が返事を1度も返していない事にすら気付かなかった様子。
私が傷を治すのを王妃付きの侍女が確認する。
そしてやっと帰る事が許される。
これがいつもの流れ。らしい。
私は傷を治すふりをして、傷とお茶の染みが見えないよう魔法をかけて一礼して部屋を出る。
(て言うか、こんな事出来るなら何故今まで使わない??)
馬車に乗り込み頬に触れてみる。
たいした傷では無いが地味に痛い。
服も気持ち悪い。
いやいやマジでこの子、可哀想すぎるでしょ。。。。
はーっと、大きなため息がでた。
馬車が家に到着したので、降りる前に魔法をとく。(魔法って便利やな。)
馬車の扉が開き、降りてきた私の顔と服を見て。
出迎えの者達が驚きに固まり。
また、数人が屋敷に向かって走り出した。
報告に向かうのだろう。
私は自分の部屋へと向かう。
一刻も早く着替えたい。
濡れた服はかなり気持ち悪いから。
手伝って貰いながら着替えをし、洗濯してくれようとするアンにお願いしてそのまま見える所に服は掛けて貰った。
後程、父に確認してもらう為だ。
因みに火傷はしていない。
とっさに皮膚の上にうっすらと防御魔法を巡らせたから。
そうで無ければ確実に火傷していたであろう。熱いお茶だった。
(魔法ってほんとに便利やな)
だんだんキナ臭くなって参ります。
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