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生きることを諦めた公爵令嬢はなぜか励まされる!  作者: Erriy
第2章 小さくなっていた。
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26 フランの涙


フランはアラン達が旅立ってから、





リリアンヌの体に付き添い、

身体全体の光が薄くなってくると、アランのエネルギーを補充する!と言う作業を繰り返していた。





アランが予め用意していた、エネルギーの凝縮した光の玉をリリアンヌの胸の辺りに注ぎ込むのだ。





フランはリリーに似ているが何処か儚げな印象のリリアンヌを見ながら、まだアランとリリーが仲睦まじく平和に暮らしていた頃の事を思い出していた。





フランの中にある最初の記憶は何故か傷つき幼く、なす統べなく力つきようとしていた自分。

寒くて空腹で動く力も無く朦朧とした意識の中、

突然温かく柔らかい何かに抱き締められ。

次に気が付くと、暖かな寝床に温かい食事。優しく話しかけ何かと世話をしてくれる女性。

その女性を優しく見つめる男性。

その温もりにほっとした自分。





元気になり、名前を聞かれたが答えられず。

付けて貰った名が「フラン」だ。

名付け親はリリー。





自分に名が必要で相手にも名が有るとその時初めてしった。





それまでの自分は覚えていない。

忘れてしまったのか、元から自分には何も無かったのか。

それすらわからない。





「何も無いなら今から付ければ良い。

知らないなら知れば良い。」

そう言ってくれたのもリリー。





リリーは自分に取って初めての温もりだった。





アランには沢山怒られた。

でも怒られる事は嫌じゃ無かった。

何故怒られたのか、その後いつもリリーが教えてくれた。

次はどうしたら上手く出来るかも。

知らないことを知る喜び。

怒られる事も褒められる事も。

出来ない事が出来る様になることも。

全てが自分にとっての喜びだった。





「きっと、きっと、アラン様がリリー様の身体を取り戻してくれますからね。

また、元のように幸せに暮らせるようになりますからね。」





自分に言い聞かせる様にそう、リリアンヌに話しかけながらエネルギーを注ぐフラン。





もう、何日そうして居ただろう。

アランが用意したエネルギーの玉も残り少なくなってきた。

無くなったらどうしよう…。

少し不安を覚えるフラン。





「きっと、きっと、今回は大丈夫!

アラン様、どうか頑張って。。。」





初めて人型に変われる様になった時は、リリー様が大きなケーキを作ってお祝いしてくれて、すっごく嬉しくって。

欲張って口一杯に頬張ったら、口の周りがクリームまみれになって!!!

アラン様には爆笑されたけど。

リリー様は、あらあらって微笑みながら僕の口の周りを優しく拭いてくれて……。

思い出していたら涙がいつの間にか、溢れてポタポタ、ポタポタ落ちていた。

もう、あの幸せな日々は戻って来ないんじゃ無いかって不安になる。

だって、あの日だっていつも通りの朝で。

僕はリリー様が朝ごはんを作ってくれるのをお手伝いして、皆で一緒に食べて。

片付けは僕がしますって流れもいつも通りで。

お天気が良い日に2人が長めのお散歩に行くのも何時もの事で。

なのに、何時もの時間になっても2人は帰って来なくって。

夜になっても何の知らせもなくって。

不安で眠れなくって。

どうしたら良いかも分からなくって。

次の日朝、ボロボロになったアラン様が1人で帰ってきて………。

リリー様が拐われたって………。

何時も落ち着いていて、大人なアラン様が取り乱していて。

僕もどうしたら良いか分からなくて。

こんな時慰めてくれるリリー様は居なくって。。。

それから暫く僕はどうやって過ごして居たのか記憶が無い。

あまりにもショック過ぎると覚えて無い物なのかな?

次に覚えているのは、口に何かを突っ込まれて……それが食べ物だって気づいて。

自分が凄くお腹を空かせていることに気づいて。

アラン様に流石に何か食わんと死ぬ!っと言われて。やっと、暫く何も食べて無いことに気が付いたんだ。

僕たち竜族は強いから少し位の間、食べなくて平気だけど。

流石にアラン様がまずいって思う位、何も食べて無かったみたい。

それから僕はリリー様が帰って来た時に美味しい物を食べて貰える様にって、頑張って料理を覚えたんだ。

リリー様のお手伝いをしていたから、アラン様よりは上手だったし。

荒れ果ててた家の中も、リリー様が帰って来た時に気持ちよく過ごせる様にって頑張って綺麗にしてる。

僕がそうやって、リリー様が帰って来た時の為にって頑張ってる間、アラン様は何度も何度もリリー様を探しに行ってた。

その度に肩を落としてボロボロになって帰って来た。

リリー様のエネルギーを感じるのに辿り付けないって。

僕もリリー様、大好きだけど僕ではリリー様を探せない。

アラン様はリリー様と番で繋がってるから辿って行くって言ってた。

でも、何時も途中で分からなくなるとも言ってた。とっても悔しそうで辛そうなアラン様。

リリー様が早く見つかります様にって願う一方で、アラン様まで居なくなっちゃったらどうしようって………。

アラン様、頑張ってるのに。

リリー様もアラン様を待ってるはずなのに。

自分勝手な考えが出てきてしまって………。

そんな自分が嫌になるんだ。





やっぱり、涙は止まらなくってポタポタ、ポタポタ落ちるんだ。







お読み下さりありがとうございます。

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