⑪リリアンヌと桜様、城へ乗り込む。頑張るのは今回オリヴィアお母様。
翌日お城へ。
王の執務室へ通される。
そこには奥に王様。
後ろに王の側近。
そして手前のソファには王妃と王子が座っていた。
公爵様が代表で挨拶。
空いているソファへと促される。
「今日は良く来てくれた。
先ずはその事に感謝を。
そして、これまでのリリアンヌに対する王妃と王子の行いを謝罪する。
リリアンヌよ、気づくのが遅れてすまなかった。」
そう言って頭を下げる。
「王が頭を下げるなど有ってはなりませぬ。」
叫んで公爵家を憎々しげに睨む王妃。
「そうです父上。
何を謝る事があると言うのですか!」
…………。
「なぜ、私が謝罪するのか本当に解らないのか?」
王は王妃を見つめる。
……………。
顔を歪める王妃。
だまる王子。
「王妃よソナタはこの10年間リリアンヌに何をしてきた?
王妃教育の辛さはそなたが一番理解出来るはずであろう?」
「もちろんです。
ですから、こんな無能な娘では決して王妃は勤まりません。
なのにこの娘は自分から辞退することもせず、その座に居続ける。
なんと傲慢な事か。」
「リリアンヌは無能などではない。
この若さで既に教育は完了後しておる。
そなたがリリアンヌに6歳の頃よりしてきた事は調べがついておる。
王妃である前に人として決して許される事ではない。
そなたも人の親であろう。
どうしてその事がわからなんだのだ。」
王妃はキッとオリヴィアを睨む。
「どうしてよりにもよって、この者の娘が息子の婚約者なのです。
どうして…………。」
「確かにオリヴィアとそなたは何時も競いあっていた。
だが、オリヴィアは自ら王妃候補から辞退したではないか。」
「何をやってもオリヴィアの方が上。
私が王妃になっても、いつまでも本当はオリヴィアの方が相応しかったのにと言われ続け。
私がどんなに頑張ってもオリヴィアの影が付きまとうのです。
私だけでなく息子まで駄目な王子にはオリヴィアの娘のリリアンヌでなければと言われる事が我慢出来なかったのです。」
全ての不満を吐き出す様に、一気に言い切る王妃。
そこへ、
「発言をお許し頂けますでしょうか?」と
オリヴィアが声を掛ける。
「あぁ許そう。」と王。
「王妃様少しお話し宜しいでしょうか?」
「今さら何?」とオリヴィアを睨む王妃。
「王妃様よりも私の方が王妃に相応しいと言っている人々を私に教えて下さいませ。私がその方一人一人にしっかりと、いかに私よりも王妃様の方が素晴らしくまた、王妃に相応しい方であるか、お話しして参りますから!」
「えっ…………。」驚いて固まってしまった王妃に向かって更に。
「私、本当は貴方とは良いお友達になれるのでは無いかと学生の頃より思っていましたの。
でも何となく貴方は私を避けて要らしたでしょ?
それで、まぁいいかと思ってしまっていたのですが、こんな事ならやっぱり頑張って貴方とお話しするべきでしたわね。」
「あぁオリヴィアはかなり大雑把だからな。」と苦笑する公爵様。
「ねぇカイル様、私に王妃が勤まると思われますか?」
「まぁ、オリヴィアが王妃では、城の者が色々と苦労するだろうな。」
「まぁやっぱり!私もそう思いますわ!
さすがカイル様、私の事を良く分かってらっしゃいますわね。」
と嬉しそうに微笑むオリヴィア。
理解が追い付かず、更に固まる王妃。
「私はね、興味の有ることには頑張れるけれど、それ以外は本当にどうでも良くて。
でも貴方は昔からどんな事でもきちんと向き合って、最後まで諦めないでしょっ!
私の方が一見派手だから表面しか見ない人には、私の方が優れて見えるのでしょうけれど、私は貴方の事とても尊敬しているのよ!
ねっだから、今まで王妃様の事を悪く言っていた人達を教えてちょうだい。
しっかり、締め上げてくるから!」
「こらこらオリヴィア。締め上げるなんて物騒な事を言ってはいけないよ!
ちょっと話してきっちり考えを改めて貰うだけだろ!」
「まぁそうね!フフフッ。」
カイルとオリヴィアから黒い何かが滲み出ているようで、周囲の物を怯えさせた。
「まっまぁ、その件に関しては公爵夫人の手を煩わせずとも私がしっかり取り締まろう。」と王様。
「そっそれでは私がリリアンヌにしてきた事は…
あぁ、私は何て事を…………」
顔を覆って泣き出す王妃に、
「母上が泣くことはありません。
凡てはリリアンヌが悪いのです。」
と王子。
もはや、皆、憐れな者を見る目になっていた。
お読み下さりありがとうございます。
読んで下さる方がいらっしゃるようで、嬉しくてソワソワしております。
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