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老後福祉従事者からの愚痴  作者: みのむしの愚痴
10/11

仕事をしていて感じる、看護と介護の職業の理解。

改めて、自分がこの業界に長くいると感じてしまう。こんな給料の低い仕事を良く続けていられるものだと。

楽しみは、無料のソシャゲをするくらいしかない休みを過ごしながら、ぼんやりと考えてしまっていた。


それはそうと、ふと、最近思った事ではあるのだが。

昔に、看護師さんと一緒に飲みに行ったり、話をしたりしていて改めて知った事がある。なのに、多くの介護士が知らない事に、びっくりしてしまう。


看護師は、医者ではない。


その意味が、分かっていない介護士が多いのだ。

私自身、若い時にシャキシャキの看護師さんと会話をしていて知ったのだが。


看護師は、病名を特定してはいけない。

看護師は、薬を勝手に処方してはいけない。

看護師は、内服薬などの調節を勝手に行ってはいけない。


看護師は、医者ではない。

この最大の原則を、教えてもらった事がある。

なのに、施設に行くと、この事を知らない介護士が多い事に、それが原因で、怒っている介護士が多い事に、私自身一番の危機感を持っている。


これらは、看護師さんから聞いた事ではあるのだが。

病名を特定できるのは、医師法に基づき、医者のみであり。

その病名に基づき、医者のみが薬を処方し。

状況を見て、薬の内容を変更する。


つまり、看護師が勝手に行っている下剤調節すら、本当であるならば、医者の診察と診療が必要なのだ。

仲が良い看護師がいるのなら、ぼそっと聞いて見て欲しい。

看護師が、薬の調節をしている時。

状況に応じて、下剤や内服の増減は、状況に応じて、適宜行うなどと言った一文が医師の診察結果にあるはずなのだ。


つまり、看護が勝手に薬を出しているわけではなく、きちんと、医者の診察と見立てがあって下剤の調節を行っているはずなのだ。


その理屈で言えば、看護師は、病気の判断が出来ないと法律で言われているのに、看護がいるのに救急車を呼ぶとか、ありえないなどど思っている家族、介護士のなんと多い事か。


そして、それを教えて来なかった介護育成のなんとずさんな事か。


さらには、医者ですら、自分の得意分野がある事を知らない人のなんと多い事か。


「あの先生なら、大丈夫。内科は強いから」

そんな会話を看護士としていた頃もあった。


私は介護士だから、胸の痛みの訴えや、不眠の訴え、頭痛の訴え、夜間頻尿。無呼吸、いろいろな症状を見て来たし、訴えられてもしてきた。

その都度、看護師と会話をしたりして、対応できるか相談してきたつもりである。


医者でも、循環器に強い医者、内科に強い医者、心臓に強い医者。

まさに千差万別である。


耳鼻科の先生に、心臓の手術をしてもらう人はいないだろう。

行えるお医者さんはいるかもしれないが。


医者もそれぞれの分野に特化している。

それすら知らない介護士は多い。



その中で、看護師と話をする中で、昔に聞いた、看護師が出来る事。

出来ない事の理解は、私の今までの仕事の中で、役に立ち続けている。


相談したのに、一切動いてくれないと、苛立つ事は無くなったし、介護士が知っているほど、看護師が一人一人を見る事は難しい事も教えてくれた。


介護士は、家族であり。

看護師は、医療の窓口であり。

医師の診察と、診断に基づいて、検査や内服管理をするのであり。


でしゃばりすぎと言われる事がないように、きっちりと線引きをする所は線引きが必要な事を理解していない介護士が多い事を感じてしまう。


もし、この最近で、看護師にいら立ってしまった事のある方がおられるなら。

改めて、考えて欲しい。


看護師は、医者ではない。


内服を出す事も。

注射をする事も。

点滴をする事も。

医者が行う業務の一部を、代替して行える業務独占の職業なのだ。


看護師は、IVHの針を入れる事は出来ない。

医者は出来る。


看護師は挿管を勝手に行う事は出来ない。

医者は出来る。


看護師は、動脈に針を刺す事は出来ない。

医者は出来る。


その意味を、しっかり理解していないのに。

チームワーカーとして、行っていけと言うのは間違っていると思ってしまう。


チームワーカーとして。


ケアマネは、プランを立てる事が出来る。

介護士は、プランに基づき、支援を行う。


その原則があるように。

医者と、看護師にも、原則がある。

その原則を知らなければ、トラブルになるのだと思うのだ。



看護の出来る事、出来ない事をとりあえず私の知っている限りで書いてみたのだが。

ふと、疑問に思ってしまった。その中で、私たち介護士は何を専門としているのかと。

そして、それが、一番とんでもない仕事だと分かってしまったのは最近である。


私たち介護士は、何も専門としていない。

しかし、全てを知っていれば、知っているほど深く。本人の要望にあった介護が出来るようになる。

全てを知っておくべきという、広く、浅い知識が全てである仕事である事に気が付いてしまったのだ。


私たち介護士は、病院の看護師のように、バイタル測定を行い、内服を飲んでいただき、精神カウンセラーのように、愚痴を聞き。気分展開を図ってもらい。理学療法士や、作業療法士のように、立ち上がりの一部指導や、足の踏み位置すら気を配り。

食事の食器の検討や、スプーンの検討。

食べる動作の確認などを行う。


どこまでも、広く浅くである。

そこから、一歩深く踏み込めば。

それぞれの専門職と、笑いながら話が出来るようになる。

知識と、経験が全ての職業。


広く浅くであるが故に、まったく評価すらされない職業。

知識が深まれば、深まるほど、さらに先を知りたくなってしまう、沼のような職業。

深い知識を持っている人と、まったく気にしていない人が混在している職業。


介護士という職業は、本当に謎の職業だと今でも思ってしまう。

長年やっていればやるほど。

自分は、なんなのか、分からなくなる。


しかし、介護士は、家族に限りなく近い関係として。

利用者に一番寄り添える職業として。

その基本スタンスだけは、間違えないようにしたいといつも思っていたりするのだ。


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