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盾持ち令嬢の英雄譚  作者: 雨降波近
第一章 わたくし、また何かやっちゃいました?
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第三話




「――安心して下さい、お嬢様。怪我はごく浅いものでした。適切な処置をすれば、傷が残ることはありません」


 騒動を聞きつけた年かさの侍女が。アーデルハイトの傷の手当をしながら言う。


「ありがとうございますわ」

「いえいえ。お嬢様のお身体が無事であれば、それ以上のことなどございません」


 言って微笑む年かさの侍女。

 けれど次の瞬間。侍女見習いの方を振り向くと、鬼のような顔になって怒り出す。

 これにはアーデルハイトもびっくり。


「――お前は、後でお説教です。侍女ともあろうものが、お嬢様を危険に晒すとは。あまつさえ庇われるなど、言語道断です!」

「……はい。もうしわけ、ありません」


 しゅん、と落ち込む侍女見習い。


「相応の処分が下ることを覚悟しておきなさい」

「はい……」


 相応の処分、と聞いて。アーデルハイトは気になった。


「その子は、どういう処分が下るのです?」


 だから聞いた。けれど年かさの侍女は、誤魔化すみたいに微笑んで。


「お嬢様は、気になさらなくて大丈夫ですよ。心配ありません」


 とだけ言って。本当のことは教えてくれなかった。



 ――その日の夜。気になって仕方なかったアーデルハイトは、父親の書斎を訪ねる。

 レイヴンアロー公爵家のご当主。マックスハイム=レイヴンアローの書斎だ。彼はいつも自分の書斎で、夜遅くまで仕事をしている。とても仕事熱心な父親である。


「お父様。失礼いたしますわ」


 ノックをしたあと、アーデルハイトは声をかける。


「おお、アディか。入りなさい」


 嬉しそうに歓迎する声を上げて、マックスハイムは入室を促す。アーデルハイトは入室すると一礼してから、すぐに本題を切り出す。


「お父様に聞いておきたいことがありますの」

「うん。何をかな?」

「今日、侍女見習いの子が掃除道具をひっくり返してしまいましたの。わたくしは、その子をかばって怪我をしました」

「そうだね。その話は聞いているよ。傷が残らないそうで何よりだ」


 安心した様子で頷くマックスハイム。


「それで、その次侍女見習いの子なのですが。どういった処分が下ったのですか?」

「処分、か。まだ詳細は聞き及んでいないが、恐らくは解雇だろう。主に庇われ、怪我をさせるような者は侍女にしておけないからね」

「まあ、そんなっ!」


 アーデルハイトは息を飲み、驚く。だって、自分が庇ったせいなのだから。侍女見習いの子が、あっさり解雇されてしまうのは。

 ――こんなことではいけませんわっ! 守ったつもりで満足してはいけませんの。ちゃんと、最後まで守りきってこその貴族ですわ!

 と、アーデルハイトは意気込んで。


「ではお父様。お願いがございますの」


 大胆にも、マックスハイムにお願いをする。

本日最後の投稿です。

9月5日までは、この調子で一日4回の投稿が続きますので、宜しくお願いします。


面白かった、続きが読みたい等と思って頂けましたら、ブックマークと評価ポイントの方を下さるとありがたいので、是非お願い致します。

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