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盾持ち令嬢の英雄譚  作者: 雨降波近
第三章 もふもふですわ!
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第一話




 アディの冒険者としての活動は順調だった。

 ステータスも高く、シールドバッシュを工夫して攻撃に転用もしている。そのため、魔物討伐系の依頼は難なくこなすことが出来た。


 また、貴族なので当然教養もある。護衛などの依頼も、依頼主とトラブルを起こすことが無かった。

 そうして順調に依頼をこなして――冒険者ギルドから評価された。


 結果。今回、少し特別な依頼をこなすことになった。


 王都から少し離れたところにある、片田舎の村。その近辺にある鉱山に、厄介な魔物が住み着いたのだとか。

 坑道に住み着いた魔物は、不利を悟ると入り組んだ道を利用して逃げる。だから、組織的に追い込まなければ討伐も困難。


 そうした理由から、多人数の冒険者が派遣されることになったのだけれど。

 なんと、アディはその冒険者たちのまとめ役に抜擢されたのだ。




 ――そうした理由から。多くの冒険者たちと共に、複数の馬車で村へと向かうアディ。

 同じ馬車への同乗者は三人。


「ねえアディ。向こうに着いたら、まず何をする予定なの?」


 そう訪ねたのはサフィラ。冒険者登録の時以来、何かと一緒に仕事をすることも多かった。その為、以前よりも更に親交が深まっている。


「村の方々に、詳しい話を聞いてからですわね。ギルドからの情報だけでは分からない部分もありますもの」

「さすがです、お嬢様!」


 そう言って、アディの判断を持ち上げるのはクララ。アディと共に冒険者活動をする過程で、自然とレベルも上がっていた。冒険者としての評価も上がった。

 だからこうして、アディと同じ依頼に同行しているのだ。


「――それぐらい、当然」


 そして――不機嫌そうに声を漏らしたのは、灰色の髪をした少女。


「事前調査は、冒険者の基本」

「ちょっとサラ。そんなにつんけんする必要無いでしょ」


 サフィラが灰色の髪をした少女に忠告する。少女――サラは、忠告に顔を顰める。


「……別に、つんけんしてない」


 そして顔を背けて。ボブカットの髪をいじりながら誤魔化すように言う。


 ――この少女。サラは、アディが活動する中で出会った冒険者の一人。

 どうやら王都の貧民街出身らしく。不自由なく暮らす貴族や裕福な商人が嫌いらしい。


 だからなのか。明らかに貴族らしいアディのことも嫌っており。こうして露骨に、アディとクララのことを嫌がる素振りを見せるのだ。


 そしてサラとサフィラは以前からの知り合いであって。この二人は仲が悪くない。なのでサラの言葉に、サフィラが忠告するというのがいつもの流れとなっている。


「……はぁ。まあ、別に仲良くしろとまでは言わないけどさ。仕事なんだから、ある程度は割り切ってちょうだいよね」

「うん。分かってる」


 とまあ、この通り。サフィラに対しては素直なのだ。だから、アディもサラのことを嫌いではない。本当は良い子なのだと分かっているのだから。


 なお、この四人が同一の馬車に乗っているのは、ギルドの采配である。今回、冒険者を統率するのはアディなのだが、そのサポート役が同乗する三人。つまりクララ、サフィラ、サラの三人なのだ。

 だから同じ馬車に仕方なく乗っており。道中、既に色々な話をして仕事の打ち合わせもしている。


 その過程で、仕事に関する話題にはサラも積極的に参加していた。あくまで、個人的にアディのことが気に入らないだけであって。嫌がらせとか、仕事に支障の出るようなことはしない。

 そうしたプロ意識があるのもあって。アディは、サラのことを全く嫌っておらず。むしろ、好感を抱いているぐらいなのであった。

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