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わがまま妹がいつも姉の私のものをとってはこれもういらなーいと言って、すぐ捨てるのですが、私の婚約者までとって捨てたので復讐することにしました。

作者: リイナ

「これ、もういりませんわ」


 私の誕生日に私のために作られたホールケーキを全部ほしいとわんわん泣いた妹。

 仕方ない譲っておやりといわれ、泣く泣く譲りましたが、やはり食べきれずほぼ残した状態のケーキを前に私はもういりませんというしかありませんでした。


「これもういりませんわ」


 私の誕生日に両親がくれたぬいぐるみをほしいほしいと転げまわってなく妹がおりました。

 譲っておやりと両親に言われ、譲って一週間後にこれいりませんと片腕と目が取れてぼろぼろになったぬいぐるみが返ってきました。

 修繕してかわいがっているとまたほしいと泣き出し……。

 ええ、ごみにされてしまいましたわ。


 妹は少しのどが悪くて、寝込むことがあり、両親がかわいそうといって甘やかしましたが。

 いえ、もう治っていますわよ。元気に外を走り回っているのに、両親の前だけでつらい苦しいと演技をしていましたもの。


 そして私たちは年頃になりました。

 私は王太子殿下の婚約者に選ばれ、妹より健康だという理由だったのですが、妹がもう健康だ、喘息は治ったとアピールをしたのですけど、もうすでに遅しでした。


 ずるいずるいと駄々こねをする妹を、自業自得だと思っていたのですがねえ。


「……エミリア、妹をいじめた罪により婚約破棄をする!」


 と殿下に言われたとき驚きました。私がいじめられていたほうですわよ。

 しかし体の弱い自分を姉がないがしろにしていると泣きながら訴えたと聞いて、やられたと思いました。

 あれは見かけは虚弱で儚げに見えるので殿方はその嘘に騙されるのです。


 王太子殿下から婚約破棄された私は実家に戻され、妹が婚約者になったのですが。


 その一か月後、妹から婚約を解消したそうです。もうこれいらないの原理でしょうが。

 いや、そんなこと許してたまるものですか!

 私は妹に復讐することにしたのです。


「それほしいですわ。ほしいですわ、どうしてお姉さまがそんな立派な首飾りを!」


「……大事にするなら差し上げます。いつものようにすぐこれいらないはなしですわよ。そうですわね一筆書いてもらいますわ。これいらないをして捨てたり、失くしたり壊したりしてきたら、首飾りの代金を弁償してもらいますわ」


「……」


 私のしている首飾りをみてほしいほしい攻撃をしてきましたが、私がこれを言うとうーんと考え、わかりましたわと気軽に誓約書を書いて首飾りを持っていきました。

 やはりあまり深く考える子じゃないですわねえ。


 一週間後……。


「あの首飾り、どうしました?」


「えっとお部屋に……」


「探しましたがありませんでしたが」


「あれ、ベッドの脇に」


「ありませんでしたわ」


 私が言うとあたりを探し始める妹、でもないないないとやりはじめ、とうとう失くしたようですと泣き出しました。


「誓約書通り、代金を弁償してくださいね」


「お姉さま、妹にそれはひどいですわ!」


「誓約書は絶対ですわ」


 私はにっこりと笑い誓約書と首飾りの代金を書いた証書を渡すと、ええ! と妹が驚きの声を上げます。

 ええ、それはわが家の財産ほどの代金が書いてあったからです。さすがのバカでもそれくらいは理解したようですわね。


「そんな、そんなものにはみえ……」


「鑑定書もありますし」


「どうしてそんな首飾りを!」


「これ、殿下から頂いたものでしたの。返せと言われてましたから、返す用意をしていたらあなたがほしいほしいと言ってきたので」


「……」


 黙る妹、これは代々の王太子の婚約者に贈られるもので、返却するようにと催促が来ていたのですが、この時のためにとっておいたのですが、あちらにも負い目があるから、督促はそれほどは激しくなかったのですわ最近ずっと。


「はい、返してくださいね。貸与品ですから、殿下にね」


「ひどい、ひどい、ひどいですわ!」


 私はにっこりと笑い、誓約書をひらひらとさせて約束は絶対ですと繰り返します。

 妹は両親からも見捨てられ、王家の首飾りを失くした女として処罰されて修道院行き、殿下は王宮にひきこもっています。

 あ、首飾り、実は私の手元にあったりします。あの子が放りっぱなしにしていたので、部屋から持ち出して保管していたのですわ。失くしたらいけませんしねえ。

 まあ数年後くらいに見つかったといってあげましょうかねえ。

 

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