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第85話 1stライブ

大阪ドームのライブ当日、私たちは京都府だけでなく大阪府や兵庫県からも推薦され、妖魔界からも惜しみないサポートのおかげで無事に開催することが出来た。


差し入れには多くの和菓子やおにぎりなどがあり、花柳先生もあまりのブームに少しだけ困惑していた。


私たちは浴衣衣装に着替え、リハーサル通りに定位置に着く。


「ひまわりちゃん。ついにライブ当日だね。」


「だね。私が巻き込んだとはいえ、まさかここまで来るなんて思わなかったよ。」


「その巻き込みがなかったら、私はみんなと出会わなかったんだよ。ヒメギクちゃんに出会い、すみれちゃんやもみじちゃん、つばき先輩にわかば先輩、るり先輩、花柳先生夫妻、たくさんの妖怪やファンのみんな…。最高の仲間に出会えたきっかけをくれてありがとう。」


「はな…。」


「それじゃあ行こう…。私たちの最初のライブに。」


「うん。」


「いきます。3…2…1…ゴー!」


「うおおおおおおおおおおおお!」


私とひまわりちゃんはセンターからのポップアップ、もみじちゃんとすみれちゃんとつばき先輩は後ろから、そしてわかば先輩とるり先輩は上手(かみて)下手(しもて)のそれぞれから登場する。


最初の曲は私たち月光花の妖魔使いとしての曲で、短調と長調を行き来して人間の闇を歌いつつも私たちの妖魔の力で魂を浄化すると歌う。


間奏には和太鼓の締太鼓や桶胴太鼓のソロがあり、篠笛で怪しさと麗しさを表現した。


次はデビュー曲でもみじちゃんがセンターの曲で、戦国時代を終わらせるくノ一の覚悟の歌になる。


ここで一旦MCを挟み、自己紹介をする。


「皆さんこんにちは!春日はなです!皆さんの応援と支援のおかげで人妖神社の復興は進んでいます!巫女としてではなく、今日はアイドルとしてよろしくお願いします!」


「日向ひまわりでーす!この春日はなを巻き込んでオーディションに参加したけれど、夢だったドームライブが本当になるなんて思わなかったよー!みんなありがとうー!」


「紅葉もみじと申します!皆さまのご声援で紅葉流としても、アイドルとしても成長を実感できました!これからももっと精進致します!」


「藤野すみれです!みんなはライブまで体力を残しておいたかい?最後はきっとお疲れになるけれど、それ以上に楽しかったと思わせるように頑張るよ!」


「冬野つばきです!皆の声援で去年の全国高校なぎなた選手権の個人の部でベスト4になれたことを感謝する!そして今日はアイドルとして西日本を盛り上げるぞ!」


「常盤わかばです!勉強や仕事もいいけれど、今日のこのライブを楽しみによく頑張ったわ!今日は自分にご褒美として、私たちの歌を聴いていってください!」


「紺野るりでございます!皆さまと出会えた事に感謝し、全力でライブをするでございます!私は皆さまとこのライブを迎えられたことを誇りに、最後までやり遂げますでございます!」


「それとね…平安館学院の野球部は2回戦敗退で残念だったね。」


「まさか神奈川の名門、国立東光学園のアメリカ人留学生にサヨナラとはな。」


「でも大丈夫!来年はもっと強くなるから!」


「ひまわりは自信家ね。何か理由でもあるのかしら?」


「それはね、この悔しさをバネにきっともっと強くなろうと頑張ると信じているからだよ!」


「ひまわりちゃんらしいや…。」


「あはははははははは!」


ひまわりちゃんの根拠のない自信で笑いを取りつつ、MCでは学校でのネタや和のアイドルとしてのあるあるを言い合って盛り上げた。


次の曲はつばき先輩のセンターで鎌倉時代の女武将が抱く恋の歌で琴のソロが切なく響く。


他にもいろんな曲を歌い、ファンのみんなはそれぞれのサイリウムを美しく振り、会場を盛り上げた。


最初の休憩に入り浴衣衣装から袴衣装へと着替え、今度は明治時代や大正時代、昭和時代をイメージさせるモダンチックかつロマンチックな歌を中心にする。


さすがに西暦時代のものはあまり発見されてないのでイメージだけになるけれど、それでもその時代の背景を再現するように歴史家と協力して作り上げた。


さらに次の休憩でも早着替えで、モニターには私たちが収録したミニコントやゲスト出演したオクトパスの二人からのメッセージが流れ、いろんな人に支えられているというのを実感させられた。


そしてここからは…新曲発表の時が来た。


「皆さーん!ハッピーハロウィン!」


「おおっ!?」


「お菓子は和菓子だけど受け取ってください!」


私たちは和の妖怪のコスプレしながら抹茶味の自家製チョコをファンに投げて配る。


私は座敷童、ひまわりちゃんはキツネ、もみじちゃんは天狗、すみれちゃんは鬼、つばき先輩は雪女、わかば先輩は河童、そしてるり先輩はタヌキの衣装を着る。


これは人間と妖怪の絆だけでなく死者との交流でもあり、今日だけみんなも妖魔使いだと歌う。


ハロウィンらしくバレエの回転をるり先輩がクルクルと再現し、ファンを魅了していった。


曲が進むにつれて最後の曲になり、私たちは寂しさが溢れてきた。


「何かあっという間だったね…。」


「ここまでやれた事に誇りを持ちましょう。」


「私たちはさらに輝けるでございます。」


「ちょっとみんな早くない!?」


「早いって…もう終わりだろう?」


「なんてね、知ってるさ。ひまわりが言っていたアレだろう?」


「なーんだ、みんな知ってたんだ。」


「もう一回!もう一回!もう一回!……」


「アンコールとコールしないんだ。」


「和のユニットだからって日本語でアンコールするんだって。」


「ファンの皆様も和に染められたのでございますね。」


「いいじゃない。アンコールに応えましょう。」


「うん!それじゃあ…日ノ本に咲く黒き花!」


「「夜空を灯す淡い月!」」


「月光花!」


「「もう一度!いざ参る!」」


アンコールに応えた私たちは、また新曲を歌って月光花の可能性を広げる勝負をする。


ファンのみんなはこの曲知らないぞ…?隠し玉はまだあったんだ…!と驚きを隠せなかったようで、最初はサイリウムのリズムがバラバラだった。


それでも最後はみんな息がぴったりでライブでのゲリラ新曲発表は成功した。


「みんな!今日はありがとうございました!人妖神社が復興したらアイドルを引退して巫女として過ごすと思うかもしれませんが…なんと両親がアイドルを続けてもいいと許されました!これでみんなとまたライブが出来るって思うと、凄く嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします!」


「それなら私だって囲碁や将棋のプロを目指しつつ、アイドルを続ける事を許されたもん!」


「私も紅葉流を継ぎつつもアイドルを許されました。」


「私も時代劇女優とアイドルの二足の草鞋は許されたよ。」


「私もなぎなた系アイドルとして活動するのも悪くないな。」


「文学を書きながらアイドルってロマンがあると思うわね。」


「でもるり先輩は家元だから…」


「それならご心配は無用でございます。お母さまからアイドルを続け、新たな日舞の革命児になりなさいと申しが出たでございます。」


「えっ…いいのかい?家元がそう言っても。」


「お母さまは日舞の将来を見据えて改革を望んでいるのでございます。なので問題はございません。」


「じゃあ…みんなとまたライブが出来るんだね…。」


「うん!」


「みんなに約束します!またライブを行い、もう一度日本中を月光で照らし、ファンの魂に花を咲かせます!」


「本当にありがとうございました!月光花!ばんざーい!」


「ありがとう!」


「月光花!月光花!月光花!……」


こうして初のソロライブが成功し、少しだけUMD48さんに追いついたかな。


西日本で一番のトレンドになり、UMD48さんの秋山拓也プロデューサーさんもこのライブに参加していた。


同時にエースの3人もプライベートで参加していて、後でサイン交換をする。


こうして初のソロライブは成功に終わった。


つづく!

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